犬が家族に本気で噛んでくる!どうすればいい?

檻の中の犬 攻撃性
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人間を噛み続ける犬

先日ある犬のイベントに遊びに行った時、可愛らしい1歳のチワワがいたので触れてみようとしました。するとそのチワワは逃げる。多頭飼いでもう1匹は懐っこく体を寄せてくれるのですが、その犬はどうにもこうにも恐怖症に陥っていて、無理に近づこうとすると噛みついてきます。相手がチワワクラスであれば、私は噛まれると分かっていても手を出します。そしてわざと噛ませます(マネしないでください。流血する程度の怪我をすることもあるので)。

それが一つの分岐点で、「1回噛めば気が済んでしまう」犬が結構いるのですよ。犬にとって「噛む」という行為は「知る」ことです。恐怖は知らないことが主な原因なので、噛んでみて、味を覚えて、相手に敵意がないと分かればその後はおとなしくなる……というケースです。

犬の問題行動のうち、最も深刻なのは「人間への攻撃」と言って良いでしょう。

その攻撃にもいろいろありまして、
●単発の威嚇噛み
●連続の威嚇噛み
●100%全力噛み
と言った感じにレベルが違います。

 

で、そのチワワは残念ながら1度噛んでも気が済まないタイプらしくて、ガブガブ私の手を噛み続けます。

「ごめんなさい、うちの子、こうやってツンツンするんですぅ~」

と、飼い主はリードを自分側に引っ張ります。

おい、アンタにはこれが「ツンツン」に見えるのか。

ツンツンでも何でも良いけど、「私は平気ですから、そのままで」と言っても飼い主さんは引っ張ります。

まあ、そりゃそうですね。私は何も説明せず犬に手を噛ませているわけで、傍から見りゃただの変態ですから。飼い主さんにとっては自分の犬がよその人の手を噛み続けているわけで、止めないわけにもいかない。

どうやらこの人はタダモノではないらしいと悟った飼い主さん、しつけ方法を聞いてきたので口頭で一応の解説を施しました。まあ、おそらくは無駄だったでしょうけど。

なぜか危機を感じて飼い主を全力噛みしてしまう犬

さて、今日はここからが本題。

よその人ではなく、家族や飼い主に敵意を見せて本気で噛んでくる犬の対処法です。

 

このブログでは、事あるごとに「犬をちゃんとしつけたかったら、飼い主はアタフタするな、怒鳴るな、じっとしろ」と言ってきました。犬からすると、動かない人間こそ尊敬に価するのです。

しかし、その鉄則を守らず(知らず)に幼犬を育ててしまうと、「問題行動をする成犬」が出来上がったりするわけです。

そして私はよく言ってきましたよね。「成犬になってから問題行動を修正するのはあなたには無理だ」と。幼犬をしつけるのは、ハッキリ言ってしまえば「どんな素人でもできる」のです。正しいやり方さえ守っていれば、ね。

ところが、自我が確立し、身体も出来上がってしまった成犬となると、これは極端に難しくなります。幼犬のしつけは「誰でもできる」のに対し、成犬になってからのしつけは「プロでも難しいケースがある」くらいの特殊技能になるわけですよ。

で、その中でも結構深刻なのが、家族への全力噛みです。

これはごく親しい私の友人宅の犬のケースなんですが、普段はぬいぐるみみたいで見た目が可愛い上に、撫でられると尻尾を振って喜ぶ、絵に描いたような小型犬なのですが、何かの拍子(例えば爪を触られる等)でスイッチが入ってしまうと、ジキルとハイドのごとく、表情が一変し、人間を攻撃してきます。そこに家族も他人も区別はなく、全力で噛んできます。ちょうどのその光景を目の当たりにして、飼い主さんが困っていたので、試しに触ってみましたが、私の手は見事に流血。犬は5kgにも満たない小型犬でしたが、私の手はしばらく血が止まらないほどの怪我を負いました。

 

何はなくとも基本のしつけ

さて、私ならどうするか。

もし私がその犬を飼うことになったら、当然基本からやり直します。リーダーウォークはもちろんですが、悪いことをしたら「低く鋭く短く叱る」を徹底します(その飼い主さんは、私がどれだけ言っても犬に“お説教”することをやめてくれません)。

そして犬に触れる時は迷いなく、です。噛まれる人は、犬に触る時に「触ってもいい?」と(言葉に出さずとも)聞いてしまってしまっているのです。これがダメ。犬に許可を得る事なく、迷わず、素早く、安定的に抱っこする。これを繰り返すうちに犬は「人に触られるのは怖いことではない。身を委ねて良い」ことを学習していきます。

おそらくこれで50%くらいの確率で修正ができると思いますが、それでも過去の何らかのトラウマからなお人間を噛もうとしてくるならどうするか。

この飼い主さんは、犬が攻撃してくると、一旦手を引いた上で、

「なんで噛むの!服着るだけでしょ!大好きなお散歩に行くのよ!ママが怪我して~~~」

と“お説教”を始めます。

私がいくら教えてもこれはもう治りません。私から言わせると、犬のしつけの方がよほど楽です。思い込みで凝り固まった大人の人間を修正するのは至難の業。

 

再度書きます。人間はアタフタドタバタしてはいけません。そして過去記事に何度も書いたように、「犬が人間をコントロールしようとした時に、コントロールされてはいけない」
のです。そこで手を引いてしまったら、犬にとってそれは成功体験となります。犬が吠えようが噛み付こうが、こちらは行動を変えてはいけません。

でも、下手したら大怪我しちゃうじゃん!

その通り。小型犬であっても噛み方によっては長期間麻痺が残るような怪我を負わされることがあります。

噛まれても大丈夫!なアイテムを使おう

ということでアイテムのご紹介。

ナイフの刃も通さない防刃手袋です。これを装着すれば、とりあえず流血だけは免れそうです。好きなだけ噛ませてやりましょう。

ナイフの刃ではなく、ズバリ、犬に噛まれても引っかかれても大丈夫な手袋というのもあります。しかし、写真を見てみると、確かに分厚く安全性はより高そうですが、少しゴツすぎて動きが制限されるのではという危惧もあります。

まあ犬のサイズや顎の力を勘案して選んでください。

使い方は、「この手袋をしている間にやるべきことを素早く済ませる」ではなく、むしろ「噛みたいだけ噛ませ」てください。その時あなたは一切のリアクションを取らないこと。犬にそれが無駄な抵抗であることを分からせるのです。

「噛まれても大丈夫」なのは一時的な話であって、目指すところは「犬が噛まないようにする」です。

私ならしばらく噛ませてなおやめないようであれば、柔らかいクッションや布団を用意してそこに抑えつけてしまうでしょう。過去に何度も書いているように、その際、叩く・怒鳴るは必要ありません。お腹を軽く掴んで、生殺与奪権は飼い主にあるということを教えれば良いのです。

さらにその後のバリエーションとしては、ゴツい手袋だと爪を切ることもできないでしょうから、

こういう口輪をはめて安全を確保した上で手袋を外し、ゆっくり作業しても良いですね。

 

てなところで今日はこの辺で。物凄く久しぶりの犬小屋ブログでした。

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