賢い犬とは考えない犬のことである

ラブラドール犬 しつけ

からの続き。

賢い犬=考えない犬?

そうです。考えない犬こそが賢い犬なんです。例えばアジリティー競技をやる犬なんかは何も考えていません。飼い主の命令に従うのみです。この話をする際に大事なことは、そもそも犬って考えるのか?って問題なんですよ。さらに言えば、「考える」ってどういうこと?という話。

よく似ているけど異なる行為として「迷う」というのがあります。これは間違いなく犬もやっていることです。犬だって迷います。が、「考える」はどうでしょうか。

犬は直感で生きる動物

我々が「考える」と言う場合、できる限りの判断材料を並べて最適解を導き出そうとする行為を指します。しかし、犬にそこまで高度な思考ができるかと言うと、まあ無理な話です。時々驚くような行動ーー例えば赤ちゃんに毛布をかけてあげたりとかーーを見せる犬もいるにはいますけどね。

犬は人間よりはるかに直感的に行動する動物です。「行くか行かないか」「食べるか食べないか」といった具合に常に単純なデジタル思考しかしません。「散歩に行くか行かないか」を「迷う」犬はいるでしょうが、「何時ごろ行こうか」と「考える」犬はいないのです。

つまり、我々が「考える」と思っていることは、犬にとっては「迷う」ということです。公園から帰るのを「交渉」しようとしても、犬は考えたりしません。迷う、あるいは戸惑うのです。

考える=悪いことを想像する、ということ

仮に、少し意味を広くとって、犬だって「考える」動物なんだとします。しかし、この考えるという行為は犬にとって大きなストレスになります。なぜなら、考えるということは、悪いことを想定して良いことを選択することの連続で、常に悪いことを想像しなければならないからです。

ここで再度リーダーウォークの話。なぜ犬を前に歩かせると犬は凶暴になるのでしょうか。それは、犬が考えてしまうからです。先述の通り、考えるということは悪いことを想像することです。

「前から来るあの犬は敵か味方か。味方かもしれないけど敵かもしれない。味方だと思って敵だった場合悪い結果をもたらすが、敵だと思って攻撃して実はそれが味方だったとしてもこちらは傷つかない。だったら攻撃だ!」

ということを直感的に処理して後ろの飼い主を守ろうとするのです。だから犬に判断させたり考えさせたりしてはいけないのです。

人間は考えすぎて非合理的な行動を取る

これは動物の中の人間という存在を注目してもよく分かります。人間以外に戦争をする動物はいるでしょうか。人間以外に自殺する動物はいるでしょうか。いないんですよ。

ではなぜ人間だけが戦争をし、自殺するのでしょうか。それは考えてしまうからです。考えるということは悪いことを想像すること。人間はずば抜けて高度な頭脳を持つあまり、その悪いことも他の動物より大きく増幅して考えます。だから集団のケンカ以上の規模で争い、殺す必要のない者まで殺してしまいます。

他の動物は直感的にその場その時を生き抜いていますが、人間は将来を想像できてしまいます。自分が死ぬことを知っており、その後のことまで想像してしまうのです。良いことしか想像しないという人は稀で、人生の虚無や限りがあることを悟って絶望してしまいます。それが自殺と言う行動に繋がります。

随分話が逸れました。

リーダーウォークは犬から考える煩わしさを取り除く

リーダーウォークと言うのは、そういう余計な判断を犬にさせないことが目的です。周辺に誰がいようとも、それが敵対的か友好的かを判断するのは飼い主でなくてはいけません。
そのために犬は真横か後ろ、視界の中に必ず飼い主が入るような位置で歩かせ、飼い主の大きな存在感を常に認識させる必要があります。
そして、「お前は考えなくていい、何も判断しなくていい。私に任せておけ」というメッセージを送るわけです。
犬を前に歩かせるのはその真逆。「センセイにお任せしますから、なんかあったらよろしくお願いしますよ」と、犬を用心棒にしてしまうことになります。

 

という訳で、この話は「犬に行ってきますを言ってはいけない理由」に繋がっていきます。

にほんブログ村 犬ブログ 犬 しつけ・訓練へ
にほんブログ村

 

【姉妹ブログ】

知の小人ブログロゴlarge

本館。政治、経済、ジェンダー、教育、育児などについて。

知の小人ブログエンタメ館ロgolarge

ゲーム、映画、テレビ、お笑い、マンガなど。

しつけ
小ライスをフォローすると運気が上がるかもよ!

コメント

  1. 野次馬 より:

    犬に悪い想像をさせない(不安にさせない)ということなら賛成ですが、考えるということ自体が全て「悪いことの想像」とはならないと思います。
    犬は遊びの中でも、誘い方や加減の仕方など様々なことを考えますが、
    そこにストレスや悪い想像は無いでしょう。
    考えることが犬にとって全て悪いことであるように書くのは極論が過ぎるかと思います。

    もちろん、人間側の都合を犬に察するよう期待するのは、無謀で馬鹿げた行為に他ならないのですが。

タイトルとURLをコピーしました