今回は、ある1人の、私の直接の知人(高齢女性)の話をします。例によって検索回避のため、犬種は明かしません。
飼い犬が他人の物を盗っても叱ることもできない飼い主
その人とは10年以上前からのワン友で、1頭の犬を飼っていました。まずこの犬が問題でして(以前にもここで取り上げたことがあるのですが)、無駄吠えと、おもちゃを目にすると制御が利かないという問題行動がありました。ちなみに、未去勢のオス。無駄吠えはもちろんですが、何よりおもちゃへの執着がすごいのとそれを飼い主が全く制御できないというのが大きな問題です。
象徴的な事例をひとつ挙げると、私がしゃがんだ際に私の散歩用ポシェットに頭を突っ込んでタオルを引き出したことがありました。「おいこら、何をする」とそれを取り返そうとすると、飼い主さんは「ダメ!」と【私の方を】制止しました。私の方ですよ?
聞くと、こうなってしまうとどうしようもなく、無理やり引きはがそうとすると噛みつく可能性もあるのだとか。で、「ごめんなさい、今日はこのまま持って帰らせてもらいます」と。「は?」となる私。いや、結局帰る途中で別のものに興味が移ったのか、タオルをぽろっと落として返してはもらったんですけどね。
自分の飼い犬が人の物を勝手に奪って、飼い主でも取り返せないのでこのまま家に持ち帰ると言える神経は全く理解できません。
また、そこまでおもちゃに執着するほどの犬なのに、不思議なことにボール遊びをさせているところを1度も見たことがありません。その理由を聞くと、期待どおりの答えが返ってきました。「ボールを返してくれないのでボール遊びができない」とのこと。
「腫れ物系」飼い主のアタ〇カしつけ論
無駄吠えしてても放ったらかし、人のタオルを取ったらそのまま家まで持って帰らせる、ボールを返してくれないからボール遊びができない。そうですね、バカ飼い主の典型ですね。
昔、この手の飼い主を「腫れ物系」と呼んだことがあります。犬を腫れ物のように慎重に、丁寧に、ビクビクしながら、「本人の意思を尊重して」接するような飼い主です。
さて、この犬は幸せでしょうか?そこまでおもちゃに執着するってことは遊びたいわけでしょ?でも遊ばせてやれない。すると、ストレスが溜まっていざおもちゃを咥えてしまうと飼い主ですらどうしようもなくなる。
ほんの一瞬もリードを離せない犬。でも飼い主からすれば、毎日散歩に行って私も犬も幸せ♪となるのでしょう。ちょっと前に書いた、
「生きたぬいぐるみ」なのですよ。
もちろん、飼い主さん本人は自分の犬への接し方やしつけに問題があるとは思っていません。
「私は愚かな飼い主」ではなく、「この子はこういう犬」になってしまうのですよ。
抱っこすらできない犬!?
その証拠に、あろうことか、この飼い主さんは1匹目の犬のしつけもできないまま、2匹目を飼い始めたのです。
最初に公園に来た時はパピーですから、そりゃ目の前に連れて来られたらいじくり倒しますよ。まず抱っこしようとしたら、
「あ、ダメ!腰が悪くなるから!」
と止められました。書きませんが、犬種はお察し。
「は!?貴様、オレ様を誰だと思ってるんだ!」
と言いたいところをぐっと飲みこんで、それならばと今度はマズルを掴みます。すると、
「あ、うちの子にはそういうのやめてください!」
とまたしても制止されました。
「あああぁぁ!?ひょっとして、その辺のインチキなしつけ教本や自称トレーナーのブログでも読んで、『マズルを掴むのは犬の尊厳を傷つけます』とかそんなことを教わったのか!?」
周辺にスカウターを持ってる人がいたら、ボンッ!と爆発してたであろうと思えるくらい戦闘力が上がっていくのを自分で感じましたが、地球へのダメージを気にしてそこも飲みこみました。
抱っこされると健康被害が懸念される?いや、なんでそんなデリケートな生き物をわざわざ高い金出して買ってきて、公園に連れて来るのだ!?
口に触ったらダメ?ほな、家のショーケースにでも飾っとけ!
言っておきますが、私ほど犬の抱っこが上手い愛犬家もなかなかいないと思います。なんせ犬を迎え入れたら毎度、体当たりでプロレスをやりますからね。犬の体の構造は知り尽くしています。マズルへの接触も非常に大事で、いわゆる「マズルコントロール」のように、叱る時にも使いますが、スキンシップとしても不可欠な行動です。
結局、犬の行動には大きな制限がつくことになる
さて、その犬、その後どうなったかと言うと、飼い主がボール遊びで走り回らせたんです。ところが基本的なしつけが出来ていないものだから、咥えたボールを絶対に放そうとしません(このブログで過去にも取り上げたテーマです)。飼い主がボールを掴むと唸ってヘタすると咬んできます。その際、飼い主が何をするかと言えば、なんと、「逆さ吊りにしてボールを落とすのを待つ」というやり方です。
私、抱っこしただけで怒られたんですが……?
結局今は、よその犬のボールも奪って放さないため、ボール遊びそのものをさせないようにしているようです。要するに、1頭目と全く同じ運命を辿ることになったわけです。※私に任せれば1日で治してあげるんですがね。
さて、
吠えてもそのまま
抱っこさせない
マズル掴ませない
ボールを放さなくても叱らない
こういった腫れ物仕草が犬を幸せにすると思うでしょうか?
ちなみにこの人、無駄吠えで何度か近隣住民から警察に通報を食らったようで、犬が無駄吠えを始めるとその場から消えることにしているようです。結果として、こういう飼い方は犬の行動パターンに著しい行動制限を設けざるを得なくなるわけですよ。





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