トレーニングを教わる時の作法

吠える柴犬 攻撃性
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喧嘩っ早い2頭の犬の話

前に書いたかなと思ったんですが、過去ログを探してみても見当たらないので多分書いてないのでしょう。

近所の公園である未去勢のオスの日本犬が2頭、デビューしたんです。この2頭は別家族で、たまたまその公園に来ただけのこと。未去勢のオス犬で日本犬、しかもどちらも飼い主のしつけがまるでダメなので、会うたびに物凄い勢いで喧嘩を始めるんです。リードを離してしまったら大惨事、というレベルの。

そのうち1頭は機嫌が悪いと人間が近づくだけでも唸ります。今1頭は人間が大好きで基本的に危害を加えることがありません。特に私のことは大好きです。

かねてより両者の飼い主から「どうすればいいんでしょうか」と相談されていたものの、口で説明して分かるわけがありません。その前に去勢した方が良いと進言するもどちらもが頑なに拒否。ハッキリ言いますが、両者ともバカ飼い主なのです。

ある日の散歩で、この2頭が鉢合わせ、例によって激烈なケンカが始まりました。と言っても互いに飼い主がリードをしっかり持っていたため、物理的な距離は取られたまま。2頭は引き離されますが、熱はなかなか冷めません。

バカ飼い主には何の同情もしませんが、犬に罪はなし。それに、いつか大事故に繋がる予感がしてならなかったので介入することに。去勢したくないのなら、こういう態度で犬に接することができるか?を間接的に迫る意味も込めて、私に好意的な方の犬に然るべき接し方で触れていきます。

やることと言えば、犬の中の人間の存在感を高める行為で、一朝一夕にできるものではありません。とにかく顔をこちらに向けて大人しくさせる、というだけのことです。

 

バカ飼い主の暴挙

事故が起きたのはその時でした。

離れたはずのもう一方の犬の飼い主が、大人しくなった相手の犬を見て、こともあろうに、

「今なら大丈夫そうね♪」

と近づいてきたのです。

「来ちゃダメ!」と私が叫ぶ間もなく、両者スイッチオンでエンジン全開。次の瞬間、私の手からは流血。

本当に理性の低い犬だとこれがよくあるんですが、攻撃対象とは関係なく近くにある物に全力で噛み付いてしまったということです。だいたい私が犬に噛まれる時って、噛ませるか噛まれても良いという覚悟が前提になっているんですが、これは完全に不意を突かれました。

「何余計なことしてくれとんじゃ、このボケがーっ!」と罵倒したい気持ちを抑えて再度犬を抑える私。

さらに後日、その犬が人間を流血させるシーンを2度見ることになります。幸いこの3度は私を含めていずれも成人した人間でしたが、近くにたまたま子犬が歩いていたら?人間の子供だったら?ヘタすりゃ殺処分ものですよ。

 

人間にトレーニング法を教える難しさ

犬を理解する人にとって犬のトレーニングはかなり容易なものなんですが、犬を理解していない人にそのトレーニング法を教えるとなると至難の業なんです。

以前、怖がりで吠え癖の治らない犬の修正を試みようと、犬を触ろうとしたら、逃げる犬に合わせて飼い主がリードを動かすものだから、犬と私がその飼い主の周りをクルクル回るという何ともマヌケな画が出来上がってしまった、という話をしました。

この投稿をしたのは去年の5月頃ですが、このこと自体はそのずっと前の話でした。週に1回あるいは2週間に1回程度しか会わない犬で、1年近くかかりましたが、結局この犬は今では私を含めてよその人や犬にも自分から近づくようになりました。

しかし、飼い主は全くと言って良いほど変わっていません。私はこの犬に会うたび、稲妻の速さで有無を言わせず抱き上げてしまう、ということを繰り返しただけです。

 

逃げる犬の応援をするな

当初、私が犬に触ろうとした際に、飼い主がやるべきは、リードを固定することでした。しかし飼い主は「犬に合わせて動く」というクセが付いてしまっていたため、犬と私がクルクル回ることになってしまったわけです。これが犬にどう影響するかと言うと、「犬がこのおじさんを怖がって逃げる」という行為を飼い主が肯定し、応援しているということになるのです。「あなたの判断は正しいのよ」と犬に言っちゃってしまってるわけですよ。そこで飼い主が動かず、リードを固定してくれれば「何の心配もないから触ってもらいなさい」というメッセージになります。

つまりこの女性、しつけに困っていて犬に詳しい人に相談しているのに、犬の託し方から分かっていないのです。

 

「犬を委ねる」

犬に問題行動がある場合、その飼い主がそばにいるだけでトレーニングはできなくなります。問題犬が問題を持つ原因は「問題飼い主」にあり、その問題飼い主がそばにいるだけで犬は不穏モードが解除できないのです。

よって、犬をしつける場合はまず物理的に飼い主から引き離す必要があります。ところがこれをやると飼い主は、どうやってトレーニングをしているか分かりませんから、動画でも撮って後から見せるのが一番なんです。そうです、シーザー・ミランのやり方ですね。

犬への接し方の基本理念として、犬に「身を委ねさせる」ということがあります。犬の問題行動は怖がりや凶暴性など何かしら精神的に不穏な状態が原因で、それを解消するためには、自分に触れる存在への嫌悪感を軽減し、少しずつ心をほぐしてやる必要があるわけです。するとその前に飼い主がやらなければいけないのが、(しかるべき相手に)「犬を委ねる」ということになります。

 

でも犬を委ねて良い相手かどうかなんて分からないよね

と言ってもですね、目の前にいるその人が「しかるべき相手」=トレーニングスキルを持つ者かどうかなんて分からないんですよね。ってことで、今回のこの記事は半分はあまり意味がないんです。ただ、「この人は本物」と思ったら、ちゃんと犬を委ねてください。(責任は持ちませんが…)

 

例えばね、ある活発な大型犬がいて、私が相手をするんですよ。大型犬と言ってもまだ子供なんで全力で遊ぼうとします。本人は遊びのつもりでも、人間からすれば暴力レベルですけどね。すると飼い主は「ダメでしょ!飛び掛からないで!ごめんなさい、この子いつもこうなんです…」と恐縮して犬を制しようとするんですが、私は「いや、全く大丈夫なんでリードを引っ張らないでください」と言います。これは社交辞令的な返答ではなく、本当にそういう意味で言っているのです。

私は犬の散歩をする時は、噛まれてボロボロになっても良い服しか着て行きません。というか、すでにボロボロになっているパーカーなんかを着て行きます。私の【本体】も多少の甘噛みや引っ掻きで怪我をしたところで何も文句は言いません。でも相手の飼い主さんは気を遣います。私の言うことを聞かず、飛び掛かろうとした犬をリードで制しようとしたらその勢いで犬は胸から地面に落下。キャーンキャーン!と悲痛な叫び声をあげて、飼い主は狼狽。う~む…だから引っ張らないでって言ったのに…。

「この子はこうなんです」じゃなくて、犬は皆こうなんですよ。活発な大型犬を飼うということは、こういうことなんです。

仮にその場を一時的にやり過ごしても、犬の遊びたい、体を動かしたいという欲求そのものがなくなるわけではありません。そこで溜め込んだフラストレーションは溜まったままで、いつかどこかで悪い形で表れるのです。

 

公園で2匹の犬を連れた奥田瑛二似のナイスミドルを見かけたら、その人のことは信頼して是非犬を委ねてみてください。

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