マジで、今、トイプードルは飼ってはいけない

トイプードル2 健康

以前から言い続けてることなんですが、近年、犬の先天的あるいは先天性だと思われる疾病が非常に目立ちます。

そりゃね、今、信じられないサイズの犬が普通に公園に来てますからね。体重3kgを切る柴犬(小豆柴)とか、4kgほどのボストンテリアとか、1kg台のトイプードルとか。いやいや、いくら何でも小さすぎでしょう。

中でも今回取り上げるのはトイプードルです。

 

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トイプードルは健康個体の方が少ない!?

私の身の回りを見渡すとですね、まあ当然トイプードルはかなり多い訳ですよ。なんせ長年人気犬種No.1の王座を守ってますからね。

そりゃまあ良いんですが、私の観察上、健康に問題のない個体が、(若いのに)健康に問題ある個体より少ないんです。

2歳で股関節形成不全を発症して人工骨頭、幼犬の頃から脱臼グセがあってまともに走れない、自力で全力疾走しただけで骨折、普通は老犬でしかならない内臓疾患、若いうちのガン、等々。

まあこれは、プードルの個体数が特に多いから目立つだけで、割合としては他の犬種だってそうかもしれないんですけどね。生まれつき背骨がひとつ足りないチワワとかナンチャラっていう骨の病気を持つミニピンとか、数えだしたらきりがありませんが、そういった個体の共通点はやはり「小さい」そして「人気犬種」ということです。

 

誰が悪いのか

そういう人達によく相談を受けるんですが、こればっかりはしつけの問題ではないし、私が特効薬を持っているわけでもありません。せいぜい評判の良い動物病院を紹介したり、私の知識の範囲内で一般論的に「獣医にこういうことを確認してみて」などとアドバイスしてみたり、あとは動ける範囲で運動はさせろとかストレスを溜めさせるなとか無難なことしか言えない訳ですよ。

飼い主を責めたい気持ちは当然ありますよ。俺は犬に詳しいが病気を治せるわけではないぞと。動物を飼うことを何だと思ってるんだと。なぜちゃんと勉強してから飼わないのだと。

まあ、でも、仕方ないのかなとも思います。ペットショップ店員も教えてくれないし、街を歩けば皆普通に犬を飼っているように見えますから。

やはり問題は、予備知識を与えようとしないペットショップやブリーダーということになるでしょう。

 

小さいは可愛い♪可愛いは正義♪

まず飼い主側の問題点を挙げるなら、犬に上っ面の可愛さを求めすぎということです。

私のお友達にも何人かいますが、美しい毛並みが特徴の犬種の飼い主で「汚れるから運動は制限している」という人がいるんです。いやもう、「地獄に堕ちろ」って思っちゃいますよ。思うだけで言わないけど。言ったところでケンカになるだけで建設的な話にはならないだろうから。その飼い主のひとりは、身内がトリマーをやっているんです。つまり、犬をメシの種にしている「犬のプロ」の端くれなのですよ。犬のプロである人が、「汚れるからカートから降ろすな」なんてことを言ってるわけです。いや、やっぱり地獄に堕ちろ。

こんなこと書き始めたら、犬にとって運動がいかに大事か、運動を取り上げてしまったら犬の趣味はなくなっちゃうだろとか、基本的なところからいろいろ書きたくなりますが、そんなことは過去記事に何度も書いてあるので割愛します。

ここで言いたいのは、犬に上っ面の可愛さを求めるなということ。

表面的な可愛さばかりを求めているから、ペットショップで勝手に「運命を感じ」たくせに、飼った後は「無駄吠えが治らない」だの「私に噛み付いてくる」だのとアホなことを言うんですよ。

犬をファッションアイテムとして【所有】している人の「可愛い」と、私のような、周りから見ると多少異様に見える犬好きの「可愛い」では、その概念が全く違うのです。

 

子犬が可愛いのは当たり前

多くの人にとって、犬は死ぬまで子供です。人が犬に求めるのは「幼児性」なのです。だからペットショップのガラスケースに並ぶ仔犬たちの持っている訴求力は底知れぬものがあります。

しかしながら、犬が子犬でいるのはせいぜい生後7~8か月。その後わずかな思春期があって、1年ちょいで成犬になります。生後3か月で飼い始めたとしたら、わずか1年で全く違う姿の動物になってしまうわけですよ。そしてそこから15年前後の共同生活が始まるわけで、言うまでもなく、犬は成犬になってからの方がはるかに長いのです。

1年経ち、成犬になった犬を、同じように可愛いと思えるかどうか想像すべきです。想像すると、やっぱり違ってたりするんですよ。

だから、チワワやパピヨン、あるいは極度に小さいプードルや小豆柴など、いつまでも大人にならない(ように見える)個体を選びがちだし、ある意味においてはそれが正解とも言えます。

 

もちろん、私が飼っている犬だって、いずれ大きくなって就職したりはしません。

 

 

その「可愛い」の代償を考えなさい

同じプードルでも3kgのトイプードルもいれば30kg近いスタンダードプードルもいるわけで、「この子たちだって犬種を改良されたんでしょ。それでも問題ないじゃん」と思われるかもしれません。

その通り。

プードルはスタンダードこそがオリジナルで、改良を重ねてトイプードルサイズまで小さくなったのです。しかしながら、トイプードルは、少なくとも20年前の一般的認識では、「頑丈で長生き」だったのです。実際、うちのトイプードルはこれと言った病気もせず長生きしました。が、それも昔の話。

ここから分かるのは、「小さくすりゃ弱くなる」と言うわけではないということ。

問題は、どのくらいの年月をかけ、どうやって選別してきたか、となります。

ツイッターでちょいちょい見かける、一見物凄く可愛い犬だけど、何だか不自然、成犬のように見えるけど動きが子供そのものって動画。私の見る限り、先天性の障害(発達不全)個体っぽいんですよ。モンローウォークで「女性らしさ」を演出するのと同様、幼稚さを求められる犬ってヨチヨチヨタヨタ歩いている方が可愛く映ってしまうんですよね。すごく恐ろしいことですが。

 

不健康な個体が流通すると業界全体が潤う?

当然ながら、健康を維持してサイズを変えようと思うと、健康個体だけを選別して安定的な繁殖が可能になる血統を作るわけですから、それなりの時間がかかります。さて、ブリーダーはそれをやっているのでしょうか?…と言うと、やってないブリーダーの方が多いような気がします。

そして、こういう不完全な血統の個体が流通するとどうなるかっていうとですね……

まずペットショップが儲かります。

次に何かしらの疾病によって動物病院が儲かります。

持病があるとペット情報誌や情報サイトが儲かります。

個体が弱ければ弱いほど、ケアするためのグッズや犬用の食品も売れます。

これまた恐ろしい話ですが、ペット業界全体が潤ってしまうんですよ。

 

「オンライン血統書」を作れ!

さて、貴方がペットショップで犬を買ってきたとして、その子の「保証」はどうなっていましたか?1年?股関節形成不全は1年経った後に発症したりしますよ?

私はペットショップを利用したことがないので詳しくありませんが、最近では「遺伝性疾患保証」なるものもあるんだとか。皆さんはそういう保証付けましたか?仮にそういう保証を付けていたとして、その疾患が先天性だと誰が診断してくれるんでしょうか?

いやいや、それ以前に、半年間飼った犬に重大な遺伝性疾患が発覚したとして、その子をペットショップに返せますか?

 

…てなことを考えていたら、やっぱり第三者による「血統管理」が必要になってくるんじゃねーのって思うわけですよ。

で、これは過去記事で何度か書いていますが、それを実現しようとしたら、「オンライン血統書」ってことになります。似たようなアイデアがすでにあるのかどうかは知りませんが。

現行の血統書って標準で3代前、追加料金で(可能であれば)5代前までの血統が分かるんだそうです。が、血統書って、「血統を知っています」以上の意味があるんでしょうか?多分ないんですよ。その先祖に当たる犬の飼い主に連絡取ったりしないでしょ?その犬が今どんな状態かって知り得ないですよね?

「オンライン血統書」であれば、JKCなり何なりがサーバー持って、そこに「血統樹」を置いておけば良いんです。で、怪我や病気が発覚すると、動物病院は血統管理者に報告することを義務付ける。するとオンライン血統書の情報が更新され、任意の個体の健康状態がリアルタイムで分かるようにする。閲覧者は無限に血縁関係を辿っていくことができて、ついでに殺処分された個体も記しておけば良いかもしれませんね。

もしこんなシステムが出来上がれば、ブリーダーもペットショップも戦々恐々でしょう。金のためにいい加減な繁殖などできなくなります。

 

まとめ

というわけで、私はトイプードルの購入を全くお勧めしません。

どうしても欲しいなら、ペットショップで「この子の親兄弟の健康状態はどうですか?血統書って見せてもらえるんですか?股関節形成不全って何歳くらいまで心配ありますか?もしそうなった場合の補償は?」などいろいろと突っ込んだ質問を店員に投げかけてみてください。多くの場合は黙り込んでしまうと思われます。店員が親戚の個体の健康状態など知るはずもないでしょうし。

この質問は、良いペットショップの判別のためにするのではありません。貴方に覚悟ができているかどうかを試すものです。ブリーダーから直接購入するのであれば当然ながらペットショップ店員よりは血統管理ができているでしょうから、何らかの返答は期待できるでしょう。

繰り返しますが、警戒すべきはトイプードルだけではありませんからね。

 

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