飼ってはいけない犬種・ピットブル

犬種

先日、飼われていたピットブル2頭が乗っていた車から脱走し、行方不明になるという事案が発生しました。この2頭は幸運にも5日後に発見、無事飼い主の元に戻ったようですが、犬種が犬種だけにこの5日間にはさまざまな危険性があったと言わざるを得ません。

 

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ピットブルとはどんな犬種?

体重は25±10kg程度で、一般的な分類では中型犬と大型犬の境目に位置します。と考えると、体重ベースではさほど大きな犬種ではありません。

が。

この犬種、世界で最も人を殺している犬種として有名です。

元々はスタッフォードシャー・テリアという犬種に闘犬のブル系を掛け合わせて作られた犬種で、強靭な肉体、トップクラスの身体能力、そして闘争本能を持ち合わせた最強の犬種となりました。

 

ピットブルは飼いにくい?

私の印象は全く逆です。頭はそこそこ良い上に、柴犬なんかと違って性格は陽気で穏やか。あるサイトには「最高レベルのしつけスキルが問われる」と記されていましたが、平均的なしつけができれば普通に飼いやすい犬になるでしょう。ただし、「最高レベルのしつけスキルが問われる」のは全く間違っていません。なぜなら、この犬種は「もしもの時」があった場合に手がつけられないからです。

 

ピットブルの“攻撃性”

ではそのピットブルの攻撃性とはどんなものか。いや、私だって実はピットブルが喧嘩をしているところを生で見たことはないのです。私がこれまで触れてきたピットブルは皆、温厚で陽気で社交的でした。

そのピットブルの攻撃性を見ることができるのは、主にツイッターなどで発信される映像です。その様子を見てみると、一度攻撃のスイッチが入ってしまうと、敵(獲物)が死ぬまで咬んだ口を開こうとせず、もう飼い主ですら止められません。それを止めようと必死に怒鳴ったり叩いたりしても全く動じず、攻撃をやめようとしないのです。

 

威嚇なしの攻撃

この手の犬種の「攻撃性」についてはある特徴があります。それは、「攻撃に至るまでに“威嚇”を取らないということ」です。「牙を見せて唸る」という行動を取ることが少ないのです。どういうことかと言うと、こういう威嚇行動は、いわば自分の優位性は譲らず、かつ無駄な争いを避けるためのものです。「俺を怒らせるな。それ以上近づくとタダじゃおかないぞ」ということであり、それは逆に言えば、「大人しくしていれば攻撃はしない」ということです。一見おっかないのですが、実はこれも社会性の表れでもあります。少なくともサインは出してくれているわけでしてね。

ところがピットブルのように闘犬として品種改良されてきた犬種にとって、攻撃は威嚇の向こうにあるものではなく、ONかOFFかのどちらかしかないのです。元々最強の犬種なのですから、怖がることはありません。怖がることがなければ威嚇する必要すらないのです。こういう犬が攻撃を始めたらその目的は一つで、「相手を殺すこと」です。自分が弱ったり殺されたりすることは想定もせず、ただただ相手が死ぬまで攻撃を続ける。これがピットブルの怖さです。

 

日本人にとって身近な犬種で言うと、ジャックラッセルテリアや、世界で最もオオカミと遺伝子が近いと言われる柴犬なんかもこういう個体が多いんですよ。もちろんピットブルほど極端ではありませんが、威嚇せずに突然咬むということがちょくちょく見られます。柴犬に関しては当ブログでかねてより指摘している通りで、そもそも天性のコミュ障で犬という括りの中では社会性も低い犬種であることに加え、大昔は小動物からイノシシのような大型動物まで「自分で仕留める」タイプの猟犬として使役されていたという過去もあり、ピットブルと似通ったところがあるのでしょう。

 

勘違いしないで頂きたいのは、「ピットブルは社会性が低い」と言っているわけではないというところです。とはいえ、社会性が特段高いとか知能が高いというわけでもありません。無敵の犬種であるピットブルは、【元来温厚で飼いやすい】のです。ただ、何度も言いますが、攻撃のスイッチにONはあってもOFFにする方法がない。なので、いざという時にどうしようもなくなるという点で怖い、という犬種なのです。

 

「ピットブル診察拒否」は差別?

かつて当ブログで「獣医がピットブルの診察を拒否するのは差別か?」という話を書いたことがありますが、そりゃ当たり前だろって話です。

獣医さんの仕事は、動物の怪我や病気を治したり予防注射を打ったりすることですが、当然ながらその「お客さん」は基本的に無差別です。無差別ということは、飼い主がどんなしつけをしているかを問いません。よって、獣医さんや動物看護士さんはしょっちゅう犬に咬まれています。私の知っている獣医さんは咬傷によって長期間指が軽い麻痺状態になっていました。そして、「基本的に無差別」ということは、そこに「例外」が設けられるのも当然なのです。「咬まれるのも覚悟の上」である以上、「咬まれたらシャレにならないような犬」を診ることはできません。その犬が温厚で獣医のやることに抗ったりしないという保証はどこにもありません。

一例ですが、

飼っていたピットブルに家族が食べられてしまったという事件です。特に写真や動画などはありませんが、内容的には多少閲覧注意かも。

 

息子が飼っていたピットブルを老いた両親(食い殺された母親はどうやら継母)に預けていたらしいですが、この飼い主である息子さんは、まさか自分の愛犬が家族を食べてしまうなんて想像もしなかったでしょう。

 

ノーリードのピットブル

うちの地元に、浜に近い広大な原っぱがあって、時々散歩に行くんですわ。広大というのは、本当にめちゃくちゃ広大で、要するに自治体が所有してて時々大型のイベントをやるって感じの空き地なんですけどね。

そこを友人何人かと犬の散歩をしていたら、ノーリード(オフリード)でピットブルの散歩をさせている人がいたんです。

こういう光景を見るとモヤモヤするんですよ。過去記事を読まれた方はご存じでしょうが、都会の犬は自由運動をさせる機会が極端に少なく、そのためにしかるべき社会性や精神的安定性を獲得できないというのが私の主張です。人が少なくなる時間の公園くらいノーリードで散歩させたって良いだろう、と。(まあ、しませんけどね)

ただ、ピットブルとなると話は別なんですよ。あ、私は怖くはありませんよ。自分の犬を連れて平気で近づくこともできます。それは私が相手の犬の表情や動きを見極めているからであり、またそれ以前に、ノーリードにできる犬はほぼ安全だからです。「リードを離していたら危険」なのであれば、ドッグランの存在も否定せざるを得ませんしね。

と・は・い・え。

その「安全」を誰が保証してくれるのでしょうか。それって100%でしょうか。ほぼ間違いなく温厚で安全な犬だろうけども、もし何かの拍子にスイッチが入ってしまったら?それが柴犬ならまだ何とかなりますが、ピットブルだと飼い主ですら止められないわけですよ。

じゃあリードを付けていたら安全?「リードを付けていたら安全」な犬は、何かの拍子に飼い主の手からリードが離れてしまったらどうなるのでしょうか?……あ、これはまた違う話になりますね。

まあ、この手の話はピットブルだけではなく、いざ本気を出したら人間にも手に負えないような大型犬全般に言えることです。

 

結論(?)

で、結局モヤモヤする答えしか導き出せないのですが、大型犬って飼わない方が良いんですよ、やっぱり。お行儀よく誰にも迷惑をかけないよう飼っていると犬にストレスがかかります。と言って犬を自由にもできない。

シーザー・ミランのピットブル好きは皆さんよくご存じかと思います。かつて飼っていたピットブルの「ダディ」を神格化し、ドッグサイコロジーセンターに銅像まで設置しています。彼はしきりに「ピットブルは本来温厚で飼いやすい犬種だ」と主張していて、それは間違いないでしょう。しかし、それでも飼うのを推奨して良い犬種だとは思えないのです。この間亡くなった愛犬ジュニアにも「よその犬を咬み殺した」という不穏な噂がありますが、その噂の真偽がどうあれ、ピットブルはそういうことが簡単にできてしまう犬種なのですよ。

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