あらかじめランク付けされるモブ達
拠点に登場する人間との会話には予め、
・喋らないといけない相手(イベントのキーマン)
・重要ではないけど会話ができる相手
・会話すらできない相手
の3段階に分けられていて、喋る前から目印が打たれています。
つまり、とりあえずゲームを進めたいなら、イベントのキーマンにだけ話しかければ良いことになります。自分で探す必要はありません。
さて、一体これのどこが面白いんでしょうか。どこがロール(役割を)プレイ(演じる)なんでしょうか。
何もかも教えてくれる仲間達
パーティ内の会話もますます情報が濃くなっており、どんな状況においても7人分の会話が用意されています。「はなす」を選ぶと、どういうわけかパーティの全員が並んで主人公の方を向いており、話し相手になってくれます。町の人との話を忘れても大丈夫、仲間がちゃんと情報をまとめてくれています。
さて、これのどこが面白いんでしょうか?
もはや、会話をしなくても攻略できるドラクエに
実を言うと、この仲間との会話すら本当は要りません。ステータス画面を出せば、次は何をしましょうねという指示が常に表示されているからです。
つまりですな、ドラクエXIってテキスト量がとんでもなく膨大に用意されているのに、ステータス画面の指示さえ見ていればそのほとんどは読まずに進めることができてしまうわけですよ。
そうなると、必然的に謎解きらしい謎解きもありません。
「あの言葉の意味は何なのか」
「もういちどヒントを聞きに行こう」
なんてことは皆無なのです。
会話はフラグを立てるためだけのものであって、その中身は大した重要性を持たないのです。
堀井雄二は言葉を大事にするクリエイターだったのに
堀井雄二と言えば、ドラゴンクエストという所謂J-RPGの生みの親であると同時に、『ポートピア連続殺人事件』という大ヒットアドベンチャーゲームの生みの親であり、そのセリフ回しは「堀井節」と呼ばれる味のあるものでした。実に言葉を大事にするクリエイターだったのです。
ところが今作では、喋る前から各キャラの重要性に印が付けられていて、どんな話が聴けるかというワクワクもありません。会話を楽しみたいならそんな目印は無視すれば良い?たしかに、そんな風に楽しめる人が多いからドラクエXIは高評価を得ているのかもしれませんね。でも私には無理です。「この人は攻略情報を持っていません」とわざわざ教えてくれた上で話しかける際のテンションは、明らかに低くなるのです。
また、これだけ膨大なテキスト量を持つなら、1人あたりのテキスト量を減らして全員に喋らせりゃ良いと思うんですけどね。『龍が如く』シリーズでも同様のことを感じたのですが、会話ができるキャラとできないキャラが混在してるのってすっごい嫌なんですよ。ましてやドラクエシリーズは全ての登場人物と会話ができるのが当たり前だったわけですからね。
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