『シェンムー3』(18年ぶり3度目)冒頭プレイの感想~俺は大好きだけど人には勧めない~

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シェンムー3-1 ゲーム
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18年待ちました

はい、届きました、『シェンムーIII』。やりました。

本当は『シェンムー 一章・横須賀』からじっくり語りたいんですが、そんなことをやってると投稿がいつになるか分かりません。せっかく発売日に買ったのですから、一刻も早くお伝えしたく、とりあえずご報告。

というのも、シェンムーシリーズは大作ではあるんですが、決して『デス・ストランディグ』級ではない、メジャーだかマイナーだか分からない存在で(少なくともメジャーの中では相当マイナー)、こういうレビューを書くモチが高いんですよ、モチが。

シェンムー3-1
しばらくはゲームの舞台となる香港の田舎

何だか普通に話の続きを演じてますけど、この直前のシーンを見たのは18年前ですからね。阪神タイガースが2003年に優勝した時も18年ぶりでしたが、産まれたばかりの赤ちゃんが選挙権を持つようになるほど待たされたわけですよ、我々は。

で、18年も待ったのに前作の終盤をきっちり憶えてたりするんだから、私のシェンムー愛も相当深いものがあります。

いろいろ曰くのあるシェンムー

シェンムーシリーズは本編以外にいろいろと曰くがあるんですよ。

まずはオープンワールドの始祖と言われている点。『龍が如く』はもちろん、GTAもゼルダBotWも、空間を自由に移動してイベントをこなしていくというスタイルの原点はここにあったのです。

次に、巨額予算でギネス登録。1作目の時点で70億円と言うのだから凄い。そして売れなくて大赤字。

そして3作目でセガという大企業から独立し、クラウドファンディングで開発。

何とも波乱のタイトルです。

そして何より、単なるシリーズではなく、ストーリーの途中で18年もの間中断するなんてゲームは多分これくらいでしょう。

田舎か……苦手

見えているのは、どうやら最初のうちのゲームの舞台となるらしい、香港の田舎の村。

ちょっとイヤな感じです。というのもシェンムーの過去2作は、横須賀や香港の九龍周辺など、大都会ではないにしろ文明的な立体的構造物に溢れたエリアが舞台で、いろんなノイズが聴こえてきたり、あるいは匂いが漂ってきそうな、ゴチャゴチャした感じの空間をオープンワールド化したゲームだから探索も楽しかったのです。

『III』のこの村はどこ見ても景色が変わらず、オブジェクトがいかにも少ない。退屈な上に、空間認知力の弱い私にとっては目印の少ない田舎の空間は脳への負担が大きくなってしまうため、早々に舞台が変わることを祈るばかりです。

シェンムー3-2

香港のこんな田舎にもガチャガチャが置いてあります。ご丁寧に日本語で「アルバイト募集」の看板。香港なのに。

操作はモッサリ感

操作感覚は前作をしっかり踏襲しているんですが、それが逆に最近のゲームに慣れた人にはモッサリと感じられるかもしれません。『龍が如く』などは、プレイヤーの操作にビビッドに反応する、いわばゲームらしい動きをしてくれるわけです。

会話の相手は誰にフォーカスが当たっているか分かりにくく、自分の狙ったターゲットと話ができないなんてこともあります。また、会話のテンポが遅い上に、いちいちカメラのカットが切り替わります。

例えば建物の扉の前で「扉を開く」行動を取ると、普通のゲームならドアをガチャガチャして終わりか、ノックして「誰もいないようだ…」とのメッセージ表示して済ませるところを、シェンムーではアクションボタンで涼くんのアップにカットが切り替わり、ゆったりめに1歩前に出てから「ドンドンドン!………時間が早いか……」とまたカメラを戻すという具合です。これだけで少なくとも5~6秒は長くなります。

だが、そこがいい

…ってことを書くと、「何それクソゲーじゃん!」と思う人もいるかもしれません。実際に、シェンムーをクソゲー呼ばわりする人がわざわざ当ブログにコメントを入れてくれてます。

が、逆にそこが良いんですよ!シェンムーシリーズの独特のテンポは、この創り込まれた空間にどっぷり浸かって没入感を楽しむのに最適化されたものなんです。それが分からないならシェンムーはやらない方が良いかもしれませんし、この記事も自分の喜びを表現する場であって、別にお勧めしているわけではないのです。

シェンムーとFFの違い

シェンムーの良さが分からない人は、例えばプレステ以降のFFシリーズを褒め称えたりするわけです。

具体的に比較してみるとですね、シェンムー『I』『II』がリリースされたドリキャスと同じ世代のプレステはPS2であり、PS2で初めてのFFが『ファイナルファンタジーX』となります。

FFXの発売はシェンムーより遅れること2年なんですが、ドリキャスより高性能なはずのPS2で、なおプリレンダリングのムービーに頼っていたんですよ。つまり、生のポリゴンではなく、「動画ファイルを再生」していたわけです。私が『VII』以降のFFシリーズの嫌いなところはまさにここ。

プリレンダリングムービーは、制作時点で実機よりはるかに高性能なマシンで好き放題に動画が作れる一方で、CGの風合いが大きく違うために、突然違う空間に飛ばされる感覚になり、没入感が大幅に損なわれるのですよ。私のようなひねくれ者ではない一般ゲーマーには「きれい~!」とか「かっこいい~!」と評判が良かったようですが、私はダメなんです。ただただ空々しさを感じてしまうだけなんですよね。黒子が出てきて「はい、ここからムービー始まりますよー!」と言われてるようなものなのに、なんであれで感動できるのかいまだに分かりません。

その点、シェンムーは前世紀発売の作品にも関わらず、フルリアルタイムCG。つまり、何もかもが生ポリゴンで動いていて、突然画面の風合いが変わるというドッチラケなことが起きないのです。任天堂のゲームもプリレンダリングは極力使われていませんね。

CGのレベルはさすが

さて、冒頭をプレイしただけでちょっと安心したのは、CGの質が落ちていないことです。『I』の時点でも、一体どこまで描き込んでるんだ!?というくらい細かい描きこみが売りだったのですが、今回クラウンドファンディングってことで、ケチってるのでは?という懸念があったんですが、心配無用でした。いや、描き込みレベルをそのままでちょっとでも低予算にするために、田舎を舞台にしたとか?でも、前作の時点で決まってたことだからそれはなさそうです。

作り込みがスゴい

シェンムー3-5

これ、当面の下宿先であるシェンファの家のタンスなんですが、赤〇アイコンが表示されている引き出しは全部チェックが可能なんです。じゃあ赤〇が付いてなければチェックできないのか?という疑問が出てくるんですが、引き出しには全部赤〇アイコンが付いてるんですよ

全部開けられるんならやっぱり開けますよ。でもね、何が入ってるかって言うと、特にこれと言って入ってないんです。

シェンムー3-6

壺とか着物とかチョコレートとか、どう考えてもストーリー上関係のない物しか入ってないんです。この家でゲットできるアイテムは結局リンゴとバナナという、ほんの少しだけ体力を回復できるアイテムだけで、しかもそれらは表に出てるオブジェクト。引き出しの中は、ストーリーと関係ないどころか、そもそもゲットできるアイテムすらなかったのです。

これ!これこそがシェンムーなのですよ。本筋とは関係のないどうでもいいところまで作り込む。これがドリキャスの『I』からやってたことなんだからシェンムーはスゴいんですよ。シェンムーの価値は、オープンワールドの祖というところではなく、「空間を楽しむ」ゲームの祖である点かもしれません。

空腹要素いる?

前作までと大きく変わったのが、「動くと腹が減る」という要素が追加されたことです。歩くだけだと消耗しないようですが、走ると腹が減っていきます。といっても、満腹度という独立のパラメータではなく、体力という形で一元化されています。つまり、調子にのって走り回っているところに敵と遭遇してバトルイベントが始まると結構ピンチってことがあり得るわけですね。

現時点でこの腹減り要素が面白さに繋がるのかどうかは疑問です。私は腹具合を気にせず走り回りたいので、結構ストレスになるかもしれません。何よりシェンムーの面白さの大きな柱は、「探索の楽しさ」にあります。とにかく走り回って世界を堪能するのがシェンムーであり、そこに腹の減り具合という要素が絡むとするなら、それは文字通り足を引っ張る可能性もあります。

この要素があるために、定期的に食料を買い込む必要が生まれ、その食料を買うためにアルバイトをしなければいけません。なるほど、腹が減らないとガチャガチャや遊技場以外で金を使うことがないから、と考えたら多少の必然性もあるのかな、と。

最初のうちにできるアルバイトの「薪割り」はそこそこ楽しいんですが、何度も何度もやらなくてはならないようだと辛いかも。

シェンムー3-薪割

やっぱりバトルが楽しい

今のところバトルは1回だけでした。久しぶりのシェンムーのバトルはやはり楽しい。1作目で親友トムに教わった「トルネードキック」もそのまま使えます

シェンムー3-7

バトルの操作感覚も前作そのままで、「空間シフトバーチャファイター」(私が勝手にそう呼んでます)です。どういうことかっつーと、シェンムーのバトルはバーチャファイターのキャラからちょっとずつ技を拝借して出来ているんですが、その操作は当然変わってくるんですよ。

なぜかと言うと、バーチャは画面が3Dであっても、1対1のバトルで右と左の概念が明確、キャラの移動は1次元なんです。ところがシェンムーは1対複数で、移動空間軸が線ではなく面になります。当然、「⇒PK」みたいなコマンドは使えないので、シェンムー用にカスタマイズされた手法で技を出すことになります。

これを無理やりバーチャの操作体系に合わせることもできたんでしょうが、そうなると、「誰かと格闘している時に横から殴られる」みたいな1対複数の醍醐味がなくなってしまいますからね。

ただ、シェンムーのバトルって楽しいのに、『龍が如く』のようなストーリーとは直接関係のないエンカウンターバトルがなく、決まったイベントでしか実践することがなかったので、バトルの機会そのものが少ないんですよね。今作では増えていることを願います。できれば『I』の70人斬りみたいなのがまたあれば激熱なんですが。

あ、このシェンムーのバトルも巷では評判が悪いらしいので、くれぐれも私の言うことは信用しないように。

成長した涼くん

最後に朗報です。

シェンムー3-3

涼くんが「寝る時には革ジャンを脱ぐ」ということを覚えたようです。18年の月日は長い…。

 

ということで、今回はここまで。

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