『鬼滅の刃 無限列車編』感想(ネタバレあり)

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鬼滅の刃無限列車編 アニメ/漫画

『鬼滅の刃 無限列車編』観てきました。

ネタバレに入る時は合図出しますんで、この記事から退出してくださいね。

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日本で最も売れた映画がジャンプ漫画になる!?

この映画が公開された週末には、映画館を擁する地元のショッピングモールには駐車場に入るための渋滞ができましたが、公開された金曜日、そして翌日の土曜日、翌々日の日曜日に、いずれにおいても曜日別興行収入・観客動員数をサクッと塗り替えたそうです。

公開最初の3日間で46億円を稼ぎ出したとのことで、単純にこのペースが1か月続けば460億円ということになり、日本の歴代興行収入ランキング1位である『千と千尋の神隠し』の308億円を抜いて鬼滅がトップを更新することになります。もちろん、今のペースがそのまま続くわけはありませんから1か月ってことはないにしても、これだけの超人気作品が1か月で終わるわけもなく、記録更新がかなり現実味を帯びてますね。

私が観に行ったのは平日でしたが、コロナで観客席は一つ飛びだったものの、見た限りでは100%満席でした。

……はっ!よく考えたら、フル着席OKだったら興行収入ってさらに凄いことになってたのでは……?

となると大変なことに。

日本で最も売れた映画がジャンプ漫画ってことになるんですよ!!

 

社会現象化した『鬼滅』のすごさ

私が『鬼滅の刃』について以前ブログで書いたのが3月で、その時すでに社会現象と言われていました。しかし、今はその社会現象もステージが上がってます。

この作品の恐ろしいところは、性別・年齢を問わず、老若男女に受け入れられているというところで、それは私も肌で実感しています。その度合いはジブリのそれを超えるもので、私の散歩仲間の中にも、子供があまりに夢中なのでこの間の地上波集中放送を観てみたら自分もハマったなんて人が結構いるんです。

例えば、昔で言えば『宇宙戦艦ヤマト』は日本人なら誰でも知っていました。しかし「ヤマトに興味がある」「ヤマトがどういうものか知っている」という大人は少数であり、マニアと呼ばれる人たちだったのです。『鉄腕アトム』にしろ、あるいはドリフにしろ、それらはあくまで子供たちに絶大な人気があって、その子供たちの人口が分厚かった時代に大人も付き合わされていたに過ぎなかったのです。

しかし鬼滅は違います。映画を観る(た)という親も、子供の付き添いというよりは、自分も観たいからって人がかなりいます。私もその一人でした。整骨院の兄ちゃんなんかは、公開直後に観たけど来週もう一度観に行くなんて言ってましたよ。

 

途中を映画化なんてずるくない?

私の感想なんですけど、まずひとつの独立した映画作品としては評価が難しいですね。なんせ漫画連載の中のあるまとまった区切りを切り出して映画にしているだけなんで。こういうやり方はちょっとズルいと思うし、スッキリもしません。とりあえずテレビで最初から最後までやってほしいんですよ。私なんか結局、この映画の位置づけを知らないまま観に行きましたからね。冒頭で、「ああ、テレビ放送の続きなのか」と分かったって感じで。

鬼滅の刃5

でも映画館で観るべき作品

で、面白かったかどうかなんですけど、大変面白かったですよ。悔しいけど。面白かったというよりは、「映画館で観てよかった」作品と言うべきでしょうね。私がこれまで映画館で観てきた作品の中では、1位『E.T』、2位『バックトゥザフューチャー・パート3』で、鬼滅は3位に食い込んできました。

映画館で観てよかったと思うのは、テレビアニメの出来が素晴らしかったので、大スクリーンで観たくて、実際に期待通りだったからです。あともう一つ、これが最近の当たり前なのかどうか、映画館にあまり行かない私には何とも言えないのですが、音響も素晴らしかったです。「えっ、どこにスピーカーあんの!?」って感じで。

ご家庭のテレビがどんどんでかくなっているとは言え、やはり映画館のスクリーンでないと味わえない大迫力というのは間違いなくあって、それを考えたらこういう「一部だけ映画で」というなんだかよく分からないメディア戦略もアリっちゃーアリなのかもしれませんね。だって、実際観て良かったんだからそれが何よりの説得力になっちゃうんですよ。

 

やはり『鬼滅』はアニメがすごい

私が「鬼滅すげー!」って思ったのもテレビアニメを観たからで、後から原作コミックを見てみると、まるっきり少女漫画で、線は細くて弱々しい、骨や筋肉などの描写がヘタクソ、動きの表現はまるで素人、構図の取り方もダメ、お話とキャラの可愛さだけでギリギリジャンプ連載の手形をもらった作品、くらいにしか思えませんでした。第1話だけを読んだ限りではね。特に人物の視線が定まらないあの少女漫画独特の画法に、私は軽度のアレルギーを持ってまして…。

ところがアニメ化されると、それらの弱点が全て補完されて、さらにパワーアップ。画や動きは少年漫画レベルに底上げされたどころか、これほどのレベルの作画および動画は近年観たことがありません。『ワンピース』のアニメが低コスト感のすごいやっつけ仕事であることは知ってましたが、ひょっとして両極端なものを観ているのでは?と思って、YouTubeで『NARUTO』を確認。んーむ、やっぱり安っぽく、鬼滅は凄い。

鬼滅の刃4

これってUFOTABLE(「ユーフォーテーブル」って読むらしいですね。「ユーフォータブル」かと思ってました)というアニメ制作会社がすごいのか、鬼滅だけが何か特別に金かけられてるのか、私には分かりませんが、とにかく素晴らしい。

ジャパニメーションの手描き系(レンダリングされてないって意味)アニメの底力をまざまざと見せられた感があります。外人さんは何から何までCGで描くのが当たり前だと思ってるみたいですが、ジブリ作品や鬼滅を観て「よし、俺たちも!」とは思わないんでしょうかね?

 

敢えて難を挙げるなら

褒めてばかりもアレなんで、敢えて難を挙げるなら、派手なエフェクトで画面を埋めてしまうような手法はちょっと食傷気味になるってところでしょうかね。ここが宮崎アニメと大きく異なるところで、いかにも少年漫画っぽく描いてるとしても、もうちょっとスッキリ、せめて技の違いが分かる程度に描けないものかと思います。これは原作にも問題があるのでしょうが、やたらと技の種類があるのに、何がどう違うのかサッパリ分からなくて、なんだかもったいないと感じちゃうんですよ。

 

ここからネタバレなので、改ページします。

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