【とんねるず】【ダウンタウン】【ウッチャンナンチャン】お笑い第3世代論~石橋、レギュラーがなくなるってよ~

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石橋貴明 お笑い

(タイトル画像はフジテレビ公式HPより)

フジテレビ『石橋貴明のたいむとんねる』が6月で終了するかもしれない、もしそうなったら40年ぶりのレギュラー0に、との報道。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200219-00010010-jisin-ent

これを受けて、過去に別のブログで書いた『お笑い第三世代論』を引っ越しさせましたので、ご査収下さい。記事は2018年3月に書いたものです。


2018年3月8日放送分の『とんねるずみなさんのおかげでした』を観て、多くの人を怒らせそうなことを書きます。

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お笑い第3世代の情勢

お笑い第3世代というと、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンですが、彼らの現況を見てみましょう。

ダウンタウン

『ごっつええ感じ』がフジテレビの不祥事により松本の意志で終了。

その後、単発スペシャルを放送するもまさかの10%切りで、その際に松本は「もうテレビで本当に面白いことはできない」と言い放ち、ビデオ作品や非地上波、映画などに手を広げます。

映画はことごとくコケたものの、テレビは地上波では『すべらない話』とそのスピンオフ、『IPPONグランプリ』、『笑点』に次ぐ日テレ長寿番組である『ガキ使』と『笑ってはいけない』の年越し恒例化、純粋なお笑いを追求した『水曜日のダウンタウン』に加えてドキュメント色の強い『クレイジージャーニー』やワイドショーである『ワイドナショー』、『キングオブコント』『M-1グランプリ』の審査員長、非地上波では『ドキュメンタル』といった具合に、なんだかんだ文句を言いながらもガッツリ日本のお笑い芸能の中心にいます。

彼自身のお笑いセンスだけではなく、企画力もすごいんですね。

「お笑い系MC」としては明石家さんまもいまだ第一線で突っ走っていますが、純粋なお笑いとして新しいフォーマットを作り続け、お笑い文化を牽引しているのは明らかに松本人志だと言えます。

ウッチャンナンチャン

一度消えかけましたが、ウッチャンは『世界の果てまでイッテQ!』をきっかけに、ナンチャンは『ヒルナンデス』で見事に復活。

特にウッチャンはテレビ画面での据わりも他のタレントたちとの相性も非常に良く、2017年の『紅白歌合戦』の総合司会に抜擢されたことからもその好感度の高さが覗えます。去年の年末はずっとウッチャンを観ていたような気がします。

その一方でNHKの『LIFE!』ではいまだにコント職人の意地を見せています。今や深夜の若手芸人コントも見られなくなり、私の知る限り唯一のコント番組かと思います。

コントは金と時間がかかるので、地上波真冬の時代である今日、コント番組を持てるというだけでものすごく贅沢なんですよね。

とんねるず

さてさて、ウッチャンがNHKで、ダウンタウンが民放で大晦日を彩る中、とんねるずと言えば唯一のレギュラー番組である『みなさんのおかげでした』がこの3月で終了になります。

3月8日の放送では、宮沢りえや渡辺満里奈を久しぶりに迎えてのおなじみ『北の国から』だったわけですが、前半には過去のコントのダイジェスト。そのほとんどはパロディーコントです。

とんねるずの何がいけなかったのか

かねてから指摘していることを改めて。

パロディーコントしかしてこなかったとんねるず。 パロディーをほとんどやらなかったダウンタウン。 その中間のウッチャンナンチャン。

この構図が今の三者の情勢を見事に表しているように思えます。

とんねるずの何がいけなかったのか。

パロディーは、ベースとなる素材があってそれを破壊することによって笑いを起こす手法です。とんねるずの場合、その壊し方も下ネタや楽屋落ちがふんだんに使われていて、ヨゴレ度がより高いわけです。

この手法は秋元康のやり方で、おニャン子クラブやAKBグループも、それまでの日本文化が培ってきた美徳を侵すこと、つまりタブーを破ることによって注目を集めるやり方なんですね。そのやり方では、壊すものがなくなってしまうともう終わり。

秋元康については過去にも書いてるんで、ここでは詳しく書きませんが、秋元チルドレンであるとんねるずは師匠の芸風を地でやってきたわけです。

ただ壊すことでしか笑いを生み出せないということは、笑いをゼロから作れないということです。

『みなさん』を振り返ってみても、ここ10年はまともなお笑いなどほとんどやらず、食わず嫌い王頼みでした。それ以外の企画を見ても、若手芸人に高額な買い物をさせたり、ジャンケンで高額な買い物をさせたりするこれまた安易で野蛮なものばかり。「グルメ+トーク+おごらせる」ってぐるナイがやってることですよ。ナイナイはまだ『めちゃイケ』という背骨の番組がありましたが、とんねるずは唯一のレギュラー番組でこの体たらくだったわけです。

お笑いをやってるような気がするのは、実際は若手芸人であって、とんねるずは、ビートたけしがそうであるように、とっくの昔に「お笑い界の偉い人」になっちゃってたわけです。

石橋貴明の弱点は、極めて常識的な人間であることです。 高卒であっても博学であることは普段のトークからでもよく分かります。そして先輩芸人へのリスペクトがものすごく強いんですね。それを証左するのが、ダウンタウンの裏番組に対抗して始まったたけしとの番組『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』です。一応半年続きましたが、最後の放送の平均視聴率は驚きの3.2%で、特に予告もなく打ち切りになりました。

たけしと石橋というとんでもない大物タッグなんですから、この2人がどう絡むかが見どころであったはずです。ところが番組の中身は、たけしがいつもの感じで古いセンスの企画をやり、横で石橋がニヤニヤしてるだけ、という酷いものでした。

これ完全に石橋の「常識人」の部分が悪い方に出ちゃってたんですね。スリッパでたけしの頭をはたくなんてこともできず、たけしを目の前にただ緊張して立っているだけの状態だったのです。今となってはその後のとんねるずを占う番組だったと思います。

ラリー遠田のどうでもいい記事

ここで、“お笑い評論家”でいらっしゃられますラリー遠田氏の記事から僭越ながら私のような者が抜粋させて頂きます。 とんねるずという「異端児」がテレビにもたらしたもの http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/203961/030500054/?n_cid=nbpwol_twbn

彼らは、どんなに自分たちの地位が上がっても、頑なにその芸風を変えようとはしませんでした。

これは大変失礼致しました。 「他に芸がない」のではなく、「芸風を変えようとはしなかった」のですね。

あえて後輩芸人に冷たく接したり、ひどい目に遭わせたりして予定調和を崩すとんねるずのやり方は、今の時代には支持されにくくなっているのです。

ああ、あれって「予定調和を崩し」ていたんですね! 目からうどん粉です。

私自身を含めて、今でもとんねるずを熱く支持している人が多いのは、彼らの芸の本質的な部分が独創的で面白いと感じているからです。

ああ…なんということでしょう。「パロディーばかりでオリジナルをやらないヨゴレ」などと言ってしまった自分が恥ずかしくてなりません……。「独創的で面白い」んですね。

 

…んで、マジレスすると、「熱く支持している人が多い」のなら番組終わるわけがありませんわな。

このラリー遠田という自称・お笑い評論家は、もうちょい前はもうちょいだけマシなこと書いてたような気がするんですがね。今はどの芸人にも満遍なく提灯を灯す「芸人紹介ライター」になっちゃったようです。

まあ、立場から言ってもなかなか悪口書けないんですよね。扱うネタと取材先が基本的に同じになるんですから、誰かの悪口を書けばその一派全員を敵に回すことになる。たまには値打ちを上げるために芸人のインタビューもやりたいのに、誰かを敵に回す訳にはいきません。結局、誰も敵に回さない、クソほども面白くない記事しか書けなくなるわけです。

石橋貴明の認知錯誤?

閑話休題。

3月8日放送の『みなさん』の最後、エンドロールの後ろで石橋が

「これ最後だと思ってないから。また帰ってくるから」

と言っていました。ファンはこれをどう見たのでしょうか。

ヤバいですよ。これを本人がマジで言ってたとしたら、相当に(本当の意味で)ボケているということでしょう。こんな面白くない普通のことを言っちゃうんですか?ただの負け惜しみですよね?最後におセンチですか?こんなこと言う芸人、終わりでしょう?もしこれがギャグだとして、スタッフがマジに見えるような編集をしたとしたら、それはそれで深刻ですね。

でも、これはどうやら本人がマジで言ってたんだと私は思います。

というのは、その数日前に放送されたニッポン放送『岡村隆史のオールナイトニッポン』に石橋がゲスト出演した際、終始これと言ったボケもなしにテレビ論を語るんですよね。あ、いや、内容としては面白かったですよ。過去のいろんなエピソードが聞けて。ただ、お笑いの面白さとは全く違うものでした。

ANN内で石橋と、同じくめちゃイケというメインの番組の終了が決まっている岡村が、「これからのバラエティー」論を語り合います。「このままではテレビは終わる」みたいな趣旨で。これ、完全に傷の舐め合いなんですよね。

「自分たちの番組が終わるのは、コンプライアンスでガチガチになった今のテレビ文化のせいだ」

と言わんばかりなんです。完全に的外れな事実誤認です。今のテレビがコンプライアンスで窮屈になってるのは事実ですが、その範囲内でできることをやったのか、と。それとあなた方の仕事がなくなるのは全くの別問題でしょう、と。

ここで、石橋貴明が放った名言と言われる言葉をご紹介します。 出典:http://geinoupro.com/witticism.html#i

世に出てくる人って、やっぱりって思うことはとても多いんです。彼らは「なるほど」ということをちゃんとやっている。考えもつかないような努力をしてる。やってない奴に限って、不平不満を言うんですよ。「こんな仕事、やってられない」これでは何も手に入らない。

分かってらっしゃるじゃないですか。あなたのことですよ。

その点、松本人志は

松本人志が見事なのは、まさにこの辺なんですね。ブツブツ文句を言いながらも、『笑ってはいけない』『水曜日のダウンタウン』で地上波ギリギリセーフの企画をやり、『ドキュメンタル』で一線を超えたことをやる。

文句があるならとんねるずもナイナイも同じことをやれば良いんです。

でもできないでしょう?

特にとんねるずは、多くの出演者を仕切るというMC術を持ちません。これ、タレントとして潰しがきかないんですよね。自分たち用に完全にカスタマイズされた空間でしか仕事ができないんです。

ナイナイも同様です。『めちゃイケ』はお笑いを追求しているという点においては『みなさん』とは全くベクトルの違う番組ですが、「編集頼みの笑い」という点では共通しています。そしてめちゃイケがなくなると、グルメ+トークの『ぐるナイ』と、ハッキリ言ってMCは誰でも良い『スポーツ大賞』だけになり、現状「ナイナイのお笑い」はできなくなった状態です。

誤解のないよう断っておきますが、私は『めちゃイケ』のファンでした。編集によって芸人の実力以上の面白さを実現した番組でした。しかしそれは、『めちゃイケ』という空間を離れたナイナイに何ができるのかという疑問を残します。それをある程度やっていたのは、せいぜい『ぐるナイ』の初期までで、それ以外では石橋同様、どこまでも常識人なんですよね。

では、とんねるずとナイナイの今後は?

まず、木梨は実質引退でしょう。お笑いの素質が全く足りてないし、やる気もない。これでやる気があったら、お笑いを舐めすぎということです。

石橋は、4月からフジテレビでレギュラーが決まってるとのこと。私がかなり前から言ってることですが、スポーツキャスターや『サンジャポ』『ワイドナショー』に並ぶ週1のワイドショーや教養系をやるべきだと思うんですね。あの知識量をこのまま腐らせるのは実にもったいない。新レギュラーは番組名から言って教養系っぽいのでちょっと楽しみは楽しみです。

ナイナイは、決して嫌いじゃないんですが、全く見えないんですよね。もう少なくともゴールデンでナイナイ単独メインの番組なんてできないのでは、とすら思えます。

 

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