ソニックというキャラクターを語ってみる。

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ゲーム

『スーパーマリオブラザーズ』が誕生したのが1985年。これはゲーム史上最大の事件だと言って良いかもしれません。それほどスーパーマリオは衝撃的でした。

その後、ファミコンにおいてはマリオ型横スクロールアクションが流行し、さらにドラクエの大ヒットで空前のRPGブームを迎えることになります。

で、マリオ型アクションゲームの次の革新は……と言うと、実に6年の歳月が必要になります。

 

……と言うようなことを書きたいと思ったのは、先日『ソニック・ザ・ムービー』を観たからでして、まずはその話から。

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気持ち悪い実写版ソニック

『ソニック・ザ・ムービー』。セガレ君は一人で映画館に足を運びましたが、私は金出してまでは見たいと思わなかったのでパス。するとHuluで配信が始まったので早速お風呂に入りながら観てみました。

 

あ、その前に。ソニック・ザ・ムービー公開前のソニックのデザインってこれ(写真左)だったんですよね。

出典

実はオリジナルのソニックは、マリオに対抗すべく、綿密なマーケティングに基づいて、かなり人工的に誕生したんですよ。

ところが、映画版では全くその逆をやってしまったというのが実に滑稽です。社内アンケートすらやらなかったんでしょうかね?

もう教科書に載せたいほどの「不気味の谷」をやっちゃってくれてます。

元々リアルを求めるようなキャラでもないのに、わざわざ秀逸なデザインをリアルにして可愛げもクソもないものに改変するという感覚はいかがなものでしょうか。

ともあれ、猛批判を食らって、はれてソニックはオリジナルのデザインに変更され、それなりの作品となりました。

『ソニック・ザ・ムービー』

で、映画の内容。

ソニックは生まれながらに超パワーを持つハリネズミ。ある時、何者かに命を狙われ、瞬間移動装置であるリングをくぐって非難したその先は地球のサンフランシスコ。サンフランシスコで一人気楽に生活していたソニックだったが、ひょんなことからその存在が公に知られるところとなり、国防総省から追われるハメに。

……てな感じの話で、詳しくはよそのサイトを見てください。

映画のソニックは、オリジナルとイメージとそう変わりませんが、その出自の設定ゆえ、孤独感のあまりにカマッテちゃんになってしまっているという点がかなり違います。

ジム・キャリー演じるドクター・ロボトニック(エッグマン)はハマってますね。シルエットは随分違いますが。声優はもちろん山寺宏一。

声優と言う点では、驚いたのが日本語吹き替えのソニック役が、中川大志ということ。あんな朝飯も食ってないような草食系のイケメンにこんなハリのある(ソニックだけに)声が出せるのかと。かなり良かったです。ま、それでもタレント声優を使うことには反対なのですが、それはここでの趣旨ではないので詳しくは書きません。

 

全体の出来はと言うと、無難よりちょい上か。よくやっていると思います。

ソニックの超スピードの演出は良かったけど、ロボトニックとのラストバトルはいかにも物足りません。ストーリーでしっとり見せるタイプの作品ではないのだから、もっとドラゴンボール的な演出でソニックのスーパーパワーを見せた上でロボトニックを蹴散らしてほしかったところです。

 

んで、映画の話はあくまで枕でして、本題はここから。

 

大味な体感ゲームメーカー、セガ

ソニックというキャラクターを語る前に、セガというゲームメーカーを語る必要があります。

セガと言えば……私の世代では、『ハングオン』『スペースハリアー』『アウトラン』『アフターバーナー』等の体感系ゲームを思い出す人が多いでしょう。当時、私の同世代は眼の色を変えてプレイしていたものです。私はというと、こういう大味で男の子っぽい趣味があまり好きではなかったので、ほとんどプレイしませんでした。これらのゲームは、豪華で大胆ではあるけども、ゲームそのものに新しいアイデアがありませんでした。そういうのに興味がなかったんですよね。よって、もっぱら友達がやっているのを見るだけでした。

そのセガの家庭用ゲーム機を振り返って見てみると、ファミコンと同世代のハードにはSG-1000シリーズ(セガマーク3、マスターシステム)というのがあります。事業としては成功したのでしょうが、ファミコンと全く同期でありながらその存在感はかなり薄いもので、売り上げ台数はファミコンの10分の1以下。コアなゲームファン=セガファンしか持っていないハードでした。

そもそも、当時セガに家庭用ゲームを求めるゲーマーがどれほどいたのかが問題でした。「体感ゲームのセガ」が、“体感”を捨てて何が残るのだろうかと。

私も全く興味がありませんでした。

 

メガドライブでセガは変わった?

しかしながら、次の世代のハードである16ビット機のメガドライブで、セガはちょっとした変革を起こします。それこそが「ソニック」の誕生でした。

メガドライブの発売が1988年で最初のソニックとなる『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の発売が1991年。実にハード発売から3年もの月日が経っていました。これ、ハードと同時なら運命は相当変わっていたと思われます。今更言ってもしょうがありませんが。

ちなみに私はメガドラは発売直後に手に入れました。別にセガが好きなわけでもなんでもなかったけど、スーパーファミコンも発売されていなかった当時、「16ビット」への憧れが強く、またとにかく新しいゲームがしたいという欲求があったため、さらにメガドラが手頃なお値段だったため、何も考えずに買ってしまったのです。

ま、特にこれと言って夢中になるゲームもないまま、日々『ゴールデンアックス』なんかをやっていた訳ですが、そんな中、『ソニック』の登場はちょっとした衝撃がありました。

それこそ、スーパーマリオから実に6年を経て、ようやくマリオ型アクションに大きな変革をもたらしたのがソニックだったからです。

やったことのない人は動画を見て自分がプレイしているのを想像してください。

マリオは1ドット単位の緻密な操作を要求されるのに対し、ソニックはひたすら超スピードで走り回るだけ。目標がどこかも分からないままぶっ飛んでいく計画性のなさがソニックの面白さです。ぶつかれば死ぬマリオと違って、1個でもリングを持っていれば辿り着いた先に敵がいてもリングが散らばるだけでそれを回収すれば問題なしという設定も見事。マリオよりはるかに大雑把なプレイで爽快感が味わえます。

皆「次のマリオ」を作りたかったはずなんですが、このソニックのゲームシステムは出来そうでどこも作れなかったんですよね。

アメリカで超人気者になったソニック

てなわけで、ソニックは、そのデザインの秀逸さとゲームシステムの出来の良さ、さらにドリカム中村正人が手掛けた都会的な音楽が相まって、素晴らしいゲームになったと思います。日本で売り上げが振るわなかったのは、もう皆がスーパーファミコンに夢中になっていたからです。すでにゲームファンは『スーパーマリオワールド』や『ファイナルファンタジーIV』を遊び、その後には『ゼルダ』の新作も控えていました。ソフト1本は1万円近くもした時代。誰が好んでセガのゲームなんぞやるもんですか。返す返すも、ソニックがハードと同時発売だったなら……本当にセガはいつも間が悪い。

しかし海の外に出れば、アメリカではソニックが大ヒット。一時はマリオを凌いで「好きなキャラクター」となったほどソニックはアメリカ人に認知されました。どうでも良いけど、アメリカ人が好き案ゲームキャラって、パックマン、マリオ、ソニックと、全部日本産なんですよね。

 

ところで『NiGHTS』ってゲーム知ってる?

日本での認知度という点では物足りなかったソニックですが、私にとっては「家庭用ゲームのセガ」のシンボルでした。これからのセガは違う、と。

その「家庭用のセガ」が本格始動するのは、さらに次の世代のマシンであるセガサターンからでした。このサターンでは、ソニックの開発スタッフが、私の大好きなゲームを作り上げました。それが『NiGHTS』(ナイツ)です。

これ、私は大好きなんですが、やってない人にどんなゲームかを説明するのが結構難しいんですよ。説明したところで「それ面白いの?」となる。説明を試みると、

夢の世界で飛び回って、善良な住民を助けつつ悪魔を打倒する。やることはただひたすら飛び回るだけ。

となっちゃうんですよ。分からないでしょ?

もう少し詳しく書くと、ステージは筒状になっててその側面を飛ぶイメージ。そこでリングを通過した李アイテムを取ったり住民を救済して点数稼ぎ。1周するだけなら簡単だが、制限時間内に可能な限り周回すると評価が上がる、となっています。

さらに音楽が素晴らしく、ゲームの進捗具合によって動的にアレンジが変わる仕掛けになっています。私のゲーム音楽史に欠かせない名曲ぞろいで、当然サントラCDも買いました。あ、サントラ発売される前にコード繋いでMD(セガの話をしている中でややこしいですが、ミニディスクのことです)に録音し、「自炊サントラ」も作りました。

これ、やってみないとその面白さは分からないんですよ。当時、同じくこのゲームのファンだった友人と夜通しで点数を競い合ったことをよく憶えています。

こういう、説明が難しいけど動き回るだけで感覚として物凄く気持ちの良いゲームを出すあたり、「これがあの体感ゲームのセガか!」と改めて感心したものです。これこそソニック魂。

 

『ソニックアドベンチャー』は完成形?

さて、時代は進んでさらにセガ最後のハードであるドリームキャスト。

ここでソニックは本格的に復活します。

そのタイトルは『ソニックアドベンチャー』。

このタイトルの神髄を知りたければ4:30、14:00あたりから見てください。あのソニックが3Dポリゴンによってそのスピード感と迫力が格段に向上しています。
※実を言うと、セガサターンの『ソニックR』というレースゲームがベースになっています。動画は貼りませんが、気になる方は是非観てください。見る限り、なかなかの佳作です。

自分の操作でこのスピード感が味わえるんですよ。シャチに追われるシーンはテレビCMでも使われましたが、プレイステーション2発売前だった当時、この映像表現は相当なインパクトがありました。15秒をフルに使って別の映像も使えばよかったのに、アホなセガはソニックのぬいぐるみを使ってくだらないCMを流していたんです。PS2が発売されるまでが勝負だったのに。

どんなアホなCMか見たいですか?

ね?もったいないでしょ?

『シェンムー』という超大作でも、「製作費70億円」などとどうでも良いことをコピーにする始末。いやいや、湯川専務とかさ、秋元康使ってまで注目されるCM作るのは良いけど、肝心の中身を見せなさいって。そんなことだからハードから撤退することになったんですよ。

ソニックの実写映画が実現した時には、セガのハードはこの世にもう存在しませんでした……なんて切ないんでしょう。

 

と言うわけで、『ソニック・ザ・ムービー』の続編、『ソニック・ザ・ムービー ソニックvsナックルズ』はこの夏公開予定だぜ!

 

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