『鬼滅の刃』ってゆうアニメが面白いぞ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
鬼滅の刃5 アニメ/漫画

鬼滅の刃5

本も漫画もほとんど読まないし、アニメもめったに観ない私なのですが、社会現象化している『鬼滅の刃』とやらをちょっとくらいは観てやるか、『ワンピース』みたいな漫画をありがたがって読んでるお前らの言うことなんて信じちちゃいないけど、これも社会を知るためだドレドレ……とAmazonプライムで観始めたら、どこでやめれば良いのか分からないくらい面白いじゃないですかこれ。

実は最近ハマったアニメとして『ハイスコアガール』について書きかけてるのを置きっぱなしにしてるんですが、先にこっち書いちゃいますよ。

スポンサーリンク

知らない人のために、『鬼滅の刃』ってどんなアニメ?

あの週刊少年ジャンプで連載中の作品。

大正時代を舞台に「鬼」(イメージとしてはゾンビに近い)を退治する組織「鬼殺隊」に入隊した少年・竈門炭治郎(かまどたんじろう)の物語。彼は一家を鬼に惨殺された被害者で、唯一生き残ったは良いけど鬼になってしまった妹を連れ、鬼殺隊で鬼退治しつつ、妹・禰󠄀豆子(ねずこ)を人間に戻すための手段を模索します。

画風と動画

第一印象は、キャラクターが少女漫画のように目が大きくてベビーフェイスが過ぎるのではと、拒絶反応が出かかりましたが、本当に最初だけ。全体としては非常にスッキリしていて好感の持てる絵です。

と言っても私が観ているのはアニメでして、原作コミックを覗き見してみると、決して上手いと言える絵ではありません。嫌味のないスッキリした絵ではありますが、絵そのものに魅力を感じられるものではありませんでした。

その点、アニメ版はどうやら結構金をかけているようで、見事にブラッシュアップされています。良い感じに「整形」されており、当然ながら稚拙な描画や粗さが全くなくなっています。

 

素晴らしいのは原画だけではありません。これは私がアニメなどほとんど観ないから知らないだけなのかもしれませんが、動画としてめちゃくちゃクオリティーが高いんですよ。

鬼滅の刃4

同じような感動は、古い話になりますが、アニメ版の『ドラゴンボール』にも感じました。ドラゴンボールの原作者は言わずと知れた天才・鳥山明。単にイラストとしてのクオリティーもすごいけど、特にドラゴンボールからは躍動感を意識して描かれており、独自の構図から立体的に表現された「動き」は芸術の域です。

そんな天才によって描かれた原作をアニメ化したところで見劣りしてしまうのでは…と思いきや、アニメ版のドラゴンボールは非常によく出来ていました。アニメ版のドラゴンボールと言えば、原作に追いつかないよう無暗に間延びさせている欠点がよく語られますが、実はバトルシーンってかなり革命的な出来だと思うんですよ。

その後、コンピュータゲームでCGでムービーが作られるようになっても、おそらくドラゴンボール的な何かは誰かがどこかで意識していたはずで、今のアニメはさらにそこから技術を還元しているようなところがあるのではないでしょうか。

『鬼滅の刃』みたいな最新のアニメの場合、おじさんにはどこからどこまでがCGで描かれているのかもう分からないんです。もちろんところどころサポート的に使われていることも、たんじろうパパの「神楽」がモーションキャプチャーによるものであることも分かりますが、微妙なところではどこまでが手作業による動画作成なのか、もはやさっぱり分かりません。

まあ、ドラゴンボールの影響なんてことを言い出したら話がいささか大きくなりすぎると思うんですが、とにかくアニメの『鬼滅の刃』もその表現力が素晴らしいということを言いたいわけです。

中二病を発症するファンタジー要素

鬼を倒す手段は刀剣なんですが、実際には刀から繰り出す魔法のような妖術(呼吸法)を使います。この呼吸法には「水」「風」「炎」などRPGに出てきそうな属性があり、その属性によって繰り出せる技が変わってきます。

鬼滅の刃2

この「属性」みたいな要素って中二病にはたまらないものがありますね。ファイナルファンタジーで言えば「魔法剣」ですよ?

そして技を繰り出す際は律儀に長い技の名前を叫んでくれます。少年漫画の作法ですね。

さらに舞台が日本の大正時代と言う現実世界ってところもニクい。

純粋まっすぐな主人公

主人公の少年・炭治郎は、まるでマンガのようなピュアで正直で誠実で優しい少年です。特に仲間や敵に見せる共感力と包容力はそれ自体が特殊能力のレベルで、討伐する相手である鬼から悲哀を感じ取り、倒した後は心からの冥福祈願をこめて合掌するのです。

この悲哀は物語に一貫して漂っている空気であり、「人と鬼」という一見ものすごく分かりやすい敵対関係でありながら、単純な勧善懲悪ではない、奥深い物語を作り上げています。

「だって仲間だろうが!」というどっかの家族アニメとは大違いです。

 

登場人物が魅力とシリアス/コメディーのバランス

登場人物のキャラクター性は、これまた概ね少年漫画の作法に従った、いわばオーソドックスの域を超えるものではないのですが、その演出力は素晴らしいものがあると思います。

例えば善逸の登場は、物語がどんどん重苦しくなりそうな空気を、極度の怖がり・おしゃべり・逆切れというそのコミカルなキャラクターで軽くしてくれます。

屁たれというだけでなく、時に体を張って禰󠄀豆子を守ると言う男気を見せたり、大きなピンチの時には恐怖心のあまりに失神、その失神している間に本来の超絶的剣技を発揮して敵を圧倒してしまうというメリハリは、分かりやすい上にものすごくカッコイイ。

鬼滅の刃3善逸

超武闘派でおつむの足りない伊之助は、これまでの人生で経験のない優しさと包容力で炭治郎に良いようにコントロールされることに苛立つと同時に、恋心をみたいなものが芽生えていきます。「俺をホワホワさせるな!」というセリフは後々に名言扱いされることでしょう。この辺の表現もすごく面白いし、女性ファンが多いのも納得です。

伊之助がイノシシの面を取ったら端正な美少年で、ちょっとしたBL要素もある…というのが女性ファンを獲得するための作者の目論見だとしたら恐ろしいですね。

何も出し惜しみしない展開の速さ

私が現時点で観たのは18話くらいでしょうか。この18話の中に詰め込まれている物語はワンピース100話分に相当するほど濃密なもので、どこにもダレるところがありません。巨人に投げ飛ばされたと思ったら、着地した場所でさらに強大な敵が……って、そこはもっと大事に行って数話分稼げるだろ!むしろもったいない!と思うほどです。

二流の漫画家なら、ここらでまた新たな師匠を出して修行シーンを…なんてやりそうですが、『鬼滅』はその逆をやっているわけです。

何といっても禰󠄀豆子!

鬼に襲われたことによって鬼になってしまった妹・禰󠄀豆子。物語はこの禰󠄀豆子を人間に戻すべく、炭治郎が鬼退治を繰り返すのですが、その間禰󠄀豆子はほどよく小さくなって籠の中へ。普段は意識レベルが低く常にぽーっとしているけど、いざ炭治郎がピンチに陥るや箱の中から飛び出してその強力な鬼の力で加勢するわけです。いや、ポケモン!!

ただでさえ可愛い禰󠄀豆子は、鬼化して知性を失うことによって、怖くなるどころかむしろ幼児化し、「飼い主」の炭治郎に甘え、そして守ろうとします。

炭治郎に甘える姿は赤ん坊そのものですが、バトルとなったらそれこそ鬼の形相で敵に立ち向かう。

 

いやいやいや、なんでこんなの思い付くのよ。作者天才かよ!

モノローグで詳細解説

これ別に『鬼滅の刃』のすごいところという訳ではないのですが、セリフより多いレベルでモノローグ(独り言や脳内の声)があるんですよね。

これ何かっつーと、例えば『キン肉マン』で言えばアナウンサーやテリーマンの解説なんですよ。「足首だけをホールドするキン肉バスターと違って阿修羅バスターは足首、太もも、腕をホールドしている!!!!!これでは逃げられない!!!!!」
というセリフを0.何秒かのうちに喋ってしまう少年漫画にありがちなアレで、キン肉マンに限らずよく見る光景です。

『鬼滅』におけるバトルシーンは、実況アナウンサーや自分の仲間や敵の仲間もいない完全サシの無観客試合が多く、その分炭治郎がすぐれた言語能力でモノローグ化して解説してくれているわけです。

こういう説明的セリフは読者が低年齢だから用いられるものであって、使えば使うほど野暮であり、非文学的になっていきます。

ちなみに、少年漫画であってもあだち充作品ではモノローグは一切使われません(厳密にはものすごく稀にあるけど)。あだち充は「行間を読ませる」作風で、説明的なセリフは野暮という認識があるのでしょう。これはアニメ版も同じで、テキスト量が極端に少ないんですよ。だからドラゴンボールと同様、何も言わないけど歌を2分流して「何かを感じ取ってください」みたいなシーンが多用され、間延び感がすごくなっちゃうんです。

 

で、『鬼滅』の話に戻りますけど、この作品、話の面白さと重厚さ、アニメのレベルの高さを考えたら、そこからモノローグを削除するだけですっごく高尚なアニメっぽくなっちゃう気がするんですよ。少なくとも細田守の『サマーウォーズ』みたいなくだらないものよりはずっとレベルの高い、大人向きのアニメに大変身してしまう可能性があるんじゃないかと思います。

鬼滅の刃』は映画化もされるらしいですが、映画は元があっての作品であり、その時点でオリジナルではなくなります。言ってもしょうがないifを想像するに「これがオリジナルアニメ映画だったら」と考えてしまいます。

ゲーム化されるだってーー!?

剣技に妖術を織り交ぜて、いろんな技で鬼退治……こんなん絶対ゲームにしたら面白いやん。した方が良いよ…?という私のテレパシーが伝わったようで、ゲーム化が決定しています。おじさん、買っちゃいますよ。

話変わっちゃいますけど、この手の漫画、35年前ならあっという間にファミコンソフト化されてるに決まってるんですよ。

鬼滅のゲームはスマホとPS4で出るらしいですが、是非8ビットもしくは16ビット機スペック(要するにファミコンかスーファミ)に準拠した平面ゲームを別に開発してくれませんかね?小さなソフトハウスなら喜んで作ってくれそうだし、1200円でダウンロードってことにしたら十分商売になるんじゃないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました