M-1グランプリ2021を語るぞ

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M-1グランプリ2021寸評

例によって今年もM-1グランプリの寸評を残しておきます。 今回は点数付けてみました。( )内は参考として松本人志の点数です。

モグライダー 88(89)

滑舌の悪さが逆に良い味に。ネタは大味だがキレとパワーを兼ね備えたツッコミの技術は特筆もの。タイプとしては錦鯉と近似する。今後は怖い。

ランジャタイ 87(87)

元気があって良かった。入場通路のボケは面白かった。嫌いではないけど、このタイプのネタは途中で付いてこれなくなる観客が相当割合で出てくる。優勝できるわけがない。

ゆにばーす 89(88)

3回目の出場だが、シュッとした以上に持ち味のパワーがダウン。1回目が最も面白かった。

ハライチ 88(92)

あのネタの着眼点は素晴らしい。しかし、予想を超えた展開にならないのと、澤部のツッコミがカスタマイズし切れていないのが欠点。「ノリツッコまない漫才」の完成度があまりに高かったため、そのコントラストで逆に不利に。チャレンジ精神には敬服。

真空ジェシカ 93(90)

広くカテゴライズするならアンタッチャブルやサンドウィッチマンに近い。ボケのセンスと手数は非常に良いが、大きな波がなかったのが残念。今後楽しみ。

オズワルド 94(96)

ボケの「やべーヤツ」感を押し出したネタは着実に進化しているが、あと一歩、拍手笑いがほしいところ。「このツッコミ見て」感の評価はそれぞれだろうが、私はやり過ぎだと思う。それと、つくづく面白いネタを2本考える難しさを認識させられる。

ロングコートダディ 90(91)

ネタの展開が単調。途中で天界の担当職員が変わる、というような「味変」を入れた方が良かったのでは。

錦鯉 96(94)

おそらくメインブレインはツッコミの渡辺だろうと思うが、この1年で見事、優勝に向けた「あと一歩の工夫」が見て取れた。研鑽された2本のネタは思いっきり優勝に対する執念が感じられた。文句なし。2本目の「サルが山へ逃げた」くだりは涙が出た。

インディアンス 89(93)

これまでより「ギャグ控えめボケ多め」にカスタマイズか。優勝にはぐっと近づいた。そもそも好みではないが、似た系統のノンスタイルよりはかなり面白いと思う。両者の共通点として、「ツッコミが下手」という点が挙げられるが、あのボケだとちょうどいいのかも。

もも 92(92)

存在すら知らなかったが、今回の中では最も尖った芸風。笑い飯よりも粗く、テンポの速いダブルボケだが、笑い飯が徐々にテンポを上げていくのに対し、もものテンポは単調に思える。テンポを上げていくか、逆に途中で観客の呼吸を崩す何かが欲しい。

阿部詩 91

可愛い

金属バット 93

「吉本ギャラ上げてくれや」

アインシュタイン

稲ちゃんの「エキセントリックなキャラ漫才」は発酵し切っている。ネタの舵を切ること、ツッコミの成長がなければ決勝進出も叶わない。

男性ブランコ

しゃべくり漫才は全然面白くないのだが、今回の旅館ネタのようなコント漫才はさすが。伸ばすのは簡単で、ボケの演技に抑揚をつけ、ボケをあと2~3個入れられるほどテンポアップするだけ。

優勝すべきコンビが優勝した

去年のM-1寸評記事でも書きましたが、私は錦鯉が大好きです。私の記憶では、5~6年前からたまーにネタ番組で見るようになり、その頃から好きでした。でも大きく売れることはないだろうと思ってたんですけどね。なのでネタ番組で見かけては、ツチノコを見つけたようなテンションで楽しんでいました。

ところが去年、まさかのM-1決勝進出&今年のブレイク。

キングオブコントの空気階段と言い、M-1の錦鯉と言い、今年は珍しく「私が優勝すべき」と思うコンビが優勝した組み合わせです。

今回の優勝は難しかった?

一度M-1に出て目立ってテレビで売れてしまったコンビって、その後の優勝はま~難しいはずなんですよ。新鮮味がなくなって、観客の期待以上の笑いが生み出せないんですよね。少なくともこれまでには例がありません。

今回の錦鯉の優勝は、そのジンクスを打破した最初の例ではないでしょうか。

80の未完成な漫才を90に持っていく10の上げ幅より、すでに完成された90の漫才を93に持っていく3の上げ幅の方がはるかに作り出しにくいんですよね。

それを「お前らオレらの漫才に飽きるのはまだ早いぞ」とばかりに細かく限界まで改良されたネタは、雅紀のバカボケも渡辺のツッコミもほんの少しずつパワーアップさせた感動モノでした。

ただし、めちゃくちゃレベルの高かった今年の『キングオブコント』(まだ書いてないけど)とは対照的に、今年のM-1は出場者全体のレベルとしては低めだったと思います。今回のネタを去年やっていたらマヂカルラブリーの優勝はなかったと思いますが、一昨年ならミルクボーイに勝つのは無理だったでしょう。この辺は勝負の綾。

オズワルドは優勝できるか

次はオズワルドが期待されるところですが、十分高得点だった今年の点数を平均1点上げれば優勝間違いなし。ところが先述の通り、この1点がめちゃくちゃ難しい。私の見立てでは、やはりまずはツッコミの改良。必ず大声で突っ込むポイントがありますが、あれはもはや演技とは違うもので、好きな人もいれば、あそこで引く人もいるでしょう。

南海キャンディーズが活躍できたのは、山ちゃんの秀逸なツッコミによるところも大きいのですが、結局優勝を逃した原因もあのツッコミなのです。胸やけしない程度に抑える、というバランスはなかなか難しいんでしょうね。

 

ということで、また来年。

そういや、ナイツ塙の著書『言い訳』は、発売後すぐ読んで、メモるところ全部写真まで撮ったのに、投稿しないままでした。いつかきっと。

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