HIKAKINが視聴者に与えているのは「安心」なのでは？
大塚家具でHIKAKINが「爆買い」大塚久美子社長が感謝のツイート #ldnews
なんで人気があるのか分からないモノと言うのが私にはいろいろあるんですが、その筆頭と言ってもいいのがHIKAKINです。大げさなリアクションとテロップだけで、これといって何一つ面白いことも言わないのに億単位の収入を得るあの怪物ユーチューバーです。
おじさんには分からない。分からないんだけど、分からないなりに分析してみると、視聴者は「面白いもの」より「安心できるもの」を欲してるのかな、と。
やることがない、金もない。そんな時、YouTubeを開くと、いつものアイツが今日もまた新ネタをアップしている。さて、チューハイ飲み終わったし寝るか。また仕事…はぁ、疲れた。やることがない、友達もいない、彼女もいない、でもYouTubeを開くとやはりいつものアイツが動画を上げてくれている。チューハイ飲み終わったし、寝るか。
…って感じですか？違うんですか？
けもフレも基本はHIKAKINと同じ？
例えばですね、美少女系のオタクって多分、ここ２０年ほど物凄い勢いで増えていると思うんですよ。一方で２０代の童貞の割合も信じられない数になっていると言います。んで、そっち系のアニメって、まーーーどれ見ても同じでして、鋳型にはめたように次から次へと大量生産されてますよね。
これってつまりは、面倒くさい３次元の女より、最初から理想的な形をしていて全てを受け入れてくれる（という幻覚を抱かせてくれる）２次元が良い、ってことでしょ？
そして“そこ”は自分が溶け込める空間であるべきで、刺激的なクリエイティビティーなんて無くて良いわけですよ。いつも通り、決まり切ったフォーマットで、鋳型にはめたような「新作」が用意されればそれでいい。「価値観の多様化」とは上っ面で、実は大衆の価値観って昔よりのっぺりしたものになってるんじゃねーの、というのが私の見方です。
「知能指数が溶ける」と言われる『けものフレンズ』もまた大きな系統としては同じ方向向いてるように、おじさんなんかは思えるわけですよ。なんて言ったら「HIKAKINなんかと並べるな！」って怒られそうですが。
HIKAKINさん、地上波に出てこないで
いや、いいんですよ。HIKAKINの動画を観たがるバカ……じゃなくて視聴者がそれだけいるんだから、HIKAKINは需要に応じた供給をしてるんであってね。YouTubeと言うのはオンデマンドなんだから、観たくないヤツは観なくていい。
ところが、地上波に出て来られると話が変わってくるんですよ。Youtubeで面白くないヤツが地上波のバラエティーに出ても面白いワケがなくて、そんなヤツが、私が普段見てるダウンタウンや明石家さんまのバラエティーに出られたり、あるいはゲームのＣＭに出られたりすると、なんだか自分の神聖な領域が侵された気持ちになるんですな。
どういう不思議な力が働いてHIKAKINが地上波に出てくるのかは分かりませんが、その席、まだ日の目を見ない若手芸人に譲ってやれよ、なんてお笑いファンは思ってしまうものです。
HIKAKINは現代の志村けんなのか
さてさて、ここからが本題。
私が結構重大視してるのは、HIKAKINが小中学生にもかなりの人気らしいってこと。うちの親戚の子なんかも一時は夢中になってたようでして。
で、ふと思ったのがですね、私が子供の頃には、志村けん（ドリフ）や萩本欽一と言ったお笑い系のスターがいたんですよ。ドリフなんてそれはそれは大変なものでして、土曜８時に『全員集合！』を見逃そうものならその１週間は鬱になるほどでした。
さて、今の子供たちにとっての志村けんって……？いないんですよね。ドリフや欽ちゃんがスターでいられたのは子供が多かったからであって、今は子供向け番組そのものがほとんどありません。
で、（子供たちのお笑いスターとしての）志村けん不在の今日、子供は「ゆ～ちゅ～ぶ～♪」などとHIKAKINの歌なんぞ歌ってるわけです。それって、ひょっとしてHIKAKINが昔の志村けんの役目を背負ってるってこと？
だとしたら、あまりにも可哀想なことです。
志村けんや欽ちゃんは、コメディアンとしての特別な技術を持っていましたが、HIKAKINにそんなものはありません。それに加えて、HIKAKIN自身、子供たちを意識しているみたいなことを言いながら、今般のニュースのように、「ウン百万円の買い物をした」系のネタがちょいちょいあるのはどういうことでしょうか。これ単に「ネットニュース映え」だけを意識したネタであって、子供は関係ありませんよね。何より、単純にゲスいんです。
というわけで、HIKAKINにハマってしまっているというお子さんをお持ちの親御さん、Youtubeにドリフのコントがあるんでそれを観せてあげてくれませんか。ドリフって当時はＰＴＡの目の敵にされていたんですけどね…。
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