『カメラを止めるな!』と『ラヂオの時間』

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カメラを止めるな! 映画

エンタメ館の方はすっかり放ったらかしですが、随分書きたいことが溜まってるんですよね。どれくらい溜まってるかというと、「カメラを止めるな!」とか「今日から俺は!」をまだ書いていないってくらい溜まってます。

ウォーキングデッドのことゲームオブスローンズのことも書きたいんですが、まずは上田慎一郎監督の新作が公開されてるってこともあって『カメ止め』についてざっと。

特に説明は要らないでしょうが、製作費たった300万円で作られたのにも関わらず興行収入31億円というとんでもない作品です。そのシンデレラストーリーは、内容の面白さとともに話題になりました。

お話は、ゾンビ物短編映画をノーカットで撮影する過程のドタバタを描いたコメディー。

私が観たのは映画館ではなくDVDだったのですが、まあとにかくそれまで絶賛の嵐で、ハードルが上がっちゃってましたね。あちらこちらの文化人が「とにかくカメ止めを観ろ」と。

で、観てみて、前半1時間で思ったのが、「あれ?これって『ラヂオの時間』だよね?」ってことです。

『ラヂオの時間』とは三谷幸喜の映画館監督デビュー作で、カメ止めと同じようなドタバタ劇中劇です。そして私にとっての生涯のベスト5に入るかもしれないほど好きな作品です。

出演俳優が個々のやむを得ない事情、あるいは極めて身勝手な事情でなかなか段取りが決まらないまま収録が始まり、リアルタイムでトラブルを解決しながら生放送をなんとか完了させるというもの。

で、調べてみたら、やっぱり『カメ止め』の上田監督も『ラジオの時間』が好きで、類似作品としてカメ止めを撮ったらしいと。しかもノーカット撮影の手法も、三谷監督がWOWOWの2時間ドラマで、なんと全編ノーカット撮影という荒業をやってのけており、どうやらそこからもインスパイアされてるんじゃないかと思います。

そういやカメ止めの晴美役の女優さんもやけに鈴木京香に似てると思うんですが、偶然ですかね。

『ラヂオの時間』を知っていたことと、あまりにハードルが上げられ過ぎていたことから思ったほどのインパクトは感じませんでしたが、それでも『カメ止め』は面白く、そして偉大な映画です。たった300万円でよくこれだけのものを作り上げたなと思います。

この300万円という製作費は実に何とも言えない額ですよ。例えばこれを大学の映画研究部に渡しても「使い道が分からないほどの大金」でしょうが、プロが商用映画を撮るための金額としては「これで一体何やれというのか」って話です。

もちろん国民が知ってるような俳優なんて一人として使えません。セットなんて組めません。CGもダメ。それでも2時間弱の観賞に堪える…どころか、空前のヒット作になったんですから、凄いとしか言いようがありません。

そしてやはり考えてしまうのが、「三谷幸喜にカメ止めの原作と300万円を渡したら、どんな映画になるだろうか」ということです。『ラヂオの時間』公開時の三谷の年齢が32歳。今の上田監督のちょっと下になります。どちらも若くして才能を発揮してるんですね。

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