ファミコン『ドラクエ2』の音の謎

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ドラクエ35周年ですって

今年の5月27日は、ファミコンの『ドラゴンクエスト』発売35周年だったそうで、それを機に発表された新作『ドラゴンクエストXII』やオフライン版『ドラゴンクエストX』なんかが話題になっております。

当ブログでは空気を読まずにドラクエXIについてボロックソに書きましたが、XIIが発売されたらされたでまた買うんでしょうね。私の関心はもはやゲームの中身よりも、作曲はすぎやまこういち先生がやるのか?ってところにあります。現時点で90歳ですからね。すでに登録されているギネス記録を自分で更新しちゃうんでしょうか。

 

さて、私は平成13年生まれですが、不思議な力で時空を超えて、ドラクエはファミコンの第1作からやっております。せっかくのドラクエI発売35周年なので、ドラクエIについて書くべきところなのでしょうが、その偉大さは過去にも書いてますからね…どうしましょう。

軽くまとめますか。

●ドラクエは、ファミコンに置いてアドベンチャーゲーム以外でアクション性を一切排した(多分)初めてのゲーム

●それは即ち、ファミコン初の非アクティブRPG

●アドベンチャーゲームをファミコンで初めて出したのも堀井雄二

●ドラクエはグラフィックと音楽にコンピュータゲームとは無関係の専業専門家を登用した(多分)初めてのゲーム

●ウィンドウという画期的なインターフェースを採用した

 

この辺のことは過去のどっかの記事で書いてますからテキトーに探して読んでください。今日は違うことを語りたいんです。

 

ドラクエと言えば音楽だ!

ドラクエ以前から、私は結構ゲーム音楽にアンテナが立ってまして、子供の頃に通ったゲーセンであちこちから聴こえてくるアーケードゲームの音楽が今でも脳内再生されるんです。

1985年くらいから、分かりやすく言えば『スーパーマリオ』あたりからゲーム音楽はより秀逸なものになりました。中でも私が強く意識したのは『グラディウス』でしょうかね。ステージごとに違うBGMが用意されるというのは、ゲームの進歩を感じさせるものがありました。

そしてドラクエIが発売されたのが1986年。ゲームのBGMと言えば、「音楽をかじったプログラマー」とか「作曲ができる人がゲーム会社に就職して」といった感じのスタッフがやるものだったのが、ドラクエではすぎやまこういちという歌謡曲でヒット曲をいくつも持つ、ついでに言うと競馬のファンファーレを作曲した、作曲の大家にダメ元でオファーを出して快諾されたという経緯で、はれて専業作曲家が担当することになりました。…と書くと誤解を受けそうですが、すぎやま先生がゲーム音楽を担当したのはドラクエが初めてではなく、その直前のパソコン用ゲーム『ウイングマン2』だったんですけどね。

 

ドラクエにおける、クラシック音楽をベースに書かれた楽曲の風合いは独特のもので、フィールドBGMは、普通なら勇ましいマーチにしたいところを、もの悲しい短調になっています。これが実に良い。

少しマニアックなことを書かせて頂くなら、ファミコン音源は3種類の矩形波+1つの三角波+ノイズで構成されており、三角波は普通低い音で鳴らしてベースに使われるところを、ドラクエIのフィールドではメロディーに使われているのです。一歩間違えれば間抜けな曲にもなりかねないこの手法は、この曲を実に神秘的に演出することに成功しました。

 

ドラクエIIの音の謎

話は飛びます。

私が本当に衝撃を受けたのは、ドラクエIの翌年に発売されたドラクエIIでした。その衝撃とは……主人公が3人になったこと?いいえ。サマルトリアの王子が虚弱体質だったこと?いいえ。後にラジオドラマになった際に「バギ」のアクセントがおかしかったこと?いいえ。

ドラクエIIの衝撃、それは「音が違う」ということでした。

音に敏感な私は、他のゲームから出ない音がドラクエIIから出ていることに気づいたのです。

同時期くらいにコナミがMSXでカートリッジに拡張音源を内蔵させてしまうという荒業を使っていたので、後に「ドラクエIIもそういうことだったのかも」とも思いましたが、だとしたら情報が全くないというのはおかしな話。やはりファミコン内蔵音源を使っていたのでしょう。

その謎は数十年後に明かされることになります。

まずはいくつか聴いてみましょう。

 

ドラクエI。

 

 

ドラクエII。

 

 

私がファミコンの中で最高の楽曲だと思っている、ドラクエIIフィールドBGM「遥かなる旅路」。

 

 

ついでにファミコンの『ファイナルファンタジー』。曲そのものは良いが、音がB級。私にとってのFF音楽はスーファミで爆発的に開花する。

 

解明されたドラクエIIの音

ドラクエIIの音の違いが分かったでしょうか?

これについて、ゲーム音楽バンドNES BANDの主催者であるマツケん氏が分析しているのです。素人の私は、この動画を見て目からキメラのつばさ。

 

簡単に解説します。ファミコンは当時としてはかなり高級な音源を搭載していたものの、ほんの数種種類の音を、同時に3つしか鳴らせないという大きな制約の中で楽曲づくりをしなければなりませんでした。その制約に抗って、音がたくさんなっているような錯覚を生み出すような工夫を各クリエイターはやっていたのですが、ドラクエIIは、音を時間的に超微細に細分化して交互に鳴らし、新しい音を作り上げていたわけです。

マクロ面での工夫は、プログラミングやコンピュータ音源については素人であってもゲームマニアであったためにコンピュータ音源の弱点を知っていたすぎやま先生もやっていて、ドラクエシリーズにおいてはアルペジオ(分散和音)が多用されています。これで、ショボい音源でも重厚な楽曲に聴こえるわけです。

ドラクエIIは作曲技法上の工夫と、音源いじりの工夫のダブルの効果で素晴らしい楽曲を作り上げていたわけですよ。

ついでに紹介したFFシリーズはどちらもできていないのでショボいんです。アチコチから怒られそうだけど。

 

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