スプラトゥーン3の魅力

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ゲーム

7年前、WiiUで発売された『スプラトゥーン』について当ブログで書いたんですが、Switchで『3』も発売されたことだし、7年ぶりに記事を書き直してみようと思います。半分は前回のおさらい。

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アメリカでは圧倒的人気のFPS

アメリカではFPS(ファーストパーソンシューティング、本来の英語ではファーストパーソンシューターの略)というジャンルが長年すごい人気でして、これの起源が90年代の『ウルフェンシュタイン3D』や『DOOM』にあたると思います。当時、Windows3.1~95くらいの時代ですが、エンタメ系のパソコン雑誌を買うと付録のCDが付いていて、このあたりのゲームのお試し版ができたのですよ。で、このジャンルは単なるブームではなく、その後高精細化し、ゲーム要素が高度化し、オンライン対戦化し、文化となり、最人気ジャンルを30年近く維持しています。

 

任天堂の「枯れた技術の水平思考」

さてさて、そういうゲーム文化とは対照の位置にいる任天堂。任天堂には「枯れた技術の水平思考」という故・横井軍平の思想が受け継がれているようでして、これはザックリ言うと、古いものはどんどん捨てて刷新していくのではなく、古いものでもアレンジすれば新しいものとしてまだ遊べるんだという考え方です。

例えば、堀井雄二がドラクエを作る前に開発した『ポートピア連続殺人事件』というテキストベースのアドベンチャーゲームがありました。元々パソコンでコマンドをキーボードから打ち込むという入力方式だったものを、「コマンド選択方式」を発明し、キーボードのないファミコンでも遊べる形にして移植されました。おじさんおばさんはご存知の通り、かなりの人気ゲームになりました。

 

その数年後、任天堂が同じくファミコン(のディスクシステム)で発売したのが『ふぁみこんむかし話・鬼ヶ島』です。

 

これがね、基本システムは『ポートピア』から何も変わってないテキストベースのアドベンチャーゲームなんです。ところが、グラフィックを簡素化する代わりに適度にアニメーションを加える、秀逸な楽曲+サウンドエフェクト、非常にテンポよく進むお話、これらの要素により、まるで新ジャンルのような新鮮さを感じさせる傑作となりました。

 

対戦シューティングも任天堂の手にかかれば…

とっととスプラトゥーンの話に戻せ、と?

任天堂がウォーシミュレーションを作ったら『ファミコンウォーズ』になるよ、とかそんな話もう要りませんか?ただのタイミングゲーでも任天堂が作れば『だるめしスポーツ店』みたいな傑作になるってな話もしたかったんですが、やめた方が良いですか?

では話を戻しまして、そんな欧米で人気の対戦シューティングというジャンルなのですが、そういう殺伐として人を殺しまくるゲームを作ってこなかった任天堂が手を出した結果、『スプラトゥーン』という神ゲーが誕生することになります。人はイカになり、銃を水鉄砲に持ち替え、銃弾の乾いた音ではなくインクの湿った音が響く対戦シューティング、それが『スプラトゥーン』でした。

今振り返って見ると、売り上げ的にはその後Switchで発売された『2』『3』の3分の1イカ…いや、以下だったんですが、なんせハードが国内で300万台ほどしか売れなかったどうしようもないWiiUということを考えたら、新規シリーズ100万本越えというのがイカに凄いことかが分かります。

 

スプラトゥーンは既存FPS/TPSと何が違うか

さて、改めてスプラトゥーンの魅力はどこにあるかを説明します。

既存の対戦シューティングの目的が敵を倒すことであったり、生き延びることであったりするのに対し、スプラトゥーンは「インクを塗り倒す」ことを目的にしています。相手を殺すことや敵チームを殲滅させることは、その手段のひとつでして、極端な話、誰一人倒さなくても試合に勝つこともできます。#実際、ルールによっては両チーム人的被害ゼロで決着なんてことが稀にあります。

このインクを塗り倒すという行為は、それこそ子供の頃誰もがやった水鉄砲の撃ち合い、水風船の投げ合い、あるいは修学旅行の枕投げや、障子やぶりのような快感に通底するものがあります。要するに、カオスに向かっていく喜びなわけですよ。

……とだけ聞くと、物凄く大味なゲームのように思えますが、とんでもない。というよりむしろ逆です。スプラトゥーンをやったことのない人の中には勘違いしている人もいるかもしれませんが、既存の対戦シューティングより技術、戦略において奥の深いゲームなのです。

ゲーム中に出てくるブキを大雑把にグループ分けしてみると、

短距離銃(マシンガン)
超距離銃(ライフル)
ガトリング
ブラスター
ローラー

バケツ

ワイパー

等があります。「筆」とか「バケツ」とか、やったことのない人にはちょっと何言ってるか分からないでしょうが、インクで地べたを塗って、インクで相手を倒し、そのインクは「インクの中に潜る」ことによって補充されるという基本ルールは共通しています。そのインクの射出方法が違うだけ。このグループの中に性能差が違う複数のブキがあり、さらにサブウェポインとスペシャルウェポンの組み合わせで、合計100種類をゆうに超えるブキが存在します。

どのブキを選ぶかで当然戦略が変わってきて、例えばチーム内に優秀なライフル(スプラでは「チャージャー」)使いが1人いて高台にいてくれれば、広範囲の敵を狙撃し、守護神となってくれます。しかしライフルばかりだと塗りがボロボロでとても勝てるものではありません。低い所から高い所への攻撃はブラスターや、バケツ、ローラー等。特攻は短距離銃やローラーの役目、等々無限の戦略が生まれます。ついでに言うと、スプラトゥーンの優秀なところは、これだけのブキが存在しながら、これといった最強ブキみたいなのがなくて、プレイヤーはかなり均等に散らばっているという点です。なのでプレイする度に違うブキを持つ相手と対戦することになり、さっきまで連勝できてたのに、こいつが出てきてから全く勝てない、なんてこともよくある話。

 

企業戦略としてのスプラ3発売

ところで、『スプラトゥーン3』発売は、私から見ればちょっとした事件です。どういうところが事件なのか皆さんは分かるでしょうか。

近年、任天堂において、『カービィ』『ポケモン』を除くと、同一ハード上で同じシリーズのナンバリング作品が複数発売されるなんてことはほとんどなかったのです。古くはファミコンにおいてはスーパーマリオが3作出ましたが、最近ではマリオカートもスマブラもどうぶつの森も、同一ハードでは1作ずつしか発売されていません。遡れば、スーパーファミコンの『スーパードンキーコング』が最後ではないでしょうか。(64のゼルダは、言わば前編・後編みたいなもの)

で、スプラ3の中身はと言うと、アップデートと言うには大規模すぎるが、基本システムはほぼそのままなので新作と言われても少し違和感を覚えるという中途半端なもの。

これ、メーカーサイドからの戦略で言うと……

スプラトゥーンの新作は間違いなくキラータイトルの一つになるが、任天堂Switchは発売まだ5年で新ハードと入れ替えるにはまだ早い。じゃあスプラを2のまま置いといて引っ張っていくかと言うとそれも無理がある。『2』はいまだ現役プレイヤーが多いが、基本システムそのままでもバリエーションを増やして新作とすれば間違いなく売れる。ダウンロード版が占める割合も大きく、単純にソフトだけの儲けも大きい。さらに新作となれば皆が話題にし、動画を上げてくれる。Switch本体もまた売れる。当然ながらフェス開催やアップデート、サーバー管理のコストも回収できる。

というようなことかと。

消費者側からすると、新作と言うにはあまり新しいところがないにしても、新ハードまで引っ張らずに新作を出してくれたことには感謝する人が多いでしょう。そして現に、3発売と同時にスプラ熱が再燃し、再度イカになり始めた人は多いようです。私もどういう訳か、政治垢の仲間でプレイしましたしね。

何より、理屈抜きでやっぱりめちゃくちゃ面白いゲームですよ、これ。

どうでもいいけど

さて、それはそうと、久しぶりにPSVRをやろうと思ったらPS4本体が鬼籍に入られてました。『龍が如く』『ジャッジアイズ』の新作もやってないのに。どなたか、10万ライスポイントと引き換えにPS4本体をくれるという方、ご連絡をお待ちしております。

 

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