前回のレビュー(?)が、我ながらあまりに雑で『ジャッジアイズ』の紹介になったかどうか分からないので、もう一度改めて。
前回の投稿で書いた通り、このゲームの根幹部分にゲーム性みたいなものはありません。ドラマがあって、そこに移動+αの結構無理やりな感じでプレイヤーを介入させ、インタラクティブに仕上げているだけのゲームです。
例えば、ドローンで偵察するシーンがありますが、結構かったるいです。
あるいは、施錠扉をピッキングで開けるのもひとつのミニゲームですが、これもあまりに単純で要らんだろと思います。カギを持っている場合でも、そのカギをヤマカンで選ぶというのもゲームにしてしまっていますが、面白い訳がありません。暗証番号が必要になるシーンでは、「暗証番号は“1192”だったな」とわざわざ独り言を言った上で、数字キーが出てきます。今言った数字を入れろ、という訳ですね。いやいや、要らんでしょ。
つまりは、そういうことでもして“インタラクティブ感”を出さないと、ゲームの形にならない訳ですよ。
じゃあジャッジアイズって面白くないのか?って言うと、そうでもなくて、物語がよく出来ているので、それだけでも楽しめます。いわば、2時間の映画を20時間かけて観るという感覚ですね。
じゃあ他の類似ゲームはどうだったの?
類似ゲームと言っても、私はGTAシリーズすらやったことがなくて、知っているのは直系祖先の『シェンムー』とジャッジアイズと完全に同じフォーマットの『龍が如く』、そして最近ではPS4の『Marvel’s Spider-Man(スパイダーマン』くらいですね。
何度も書いている通り、リューゴトはほぼ同じゲームなので、一括りにします。対比すべきはシェンムーとスパイダーマン。
没入感で比較してみる
シェンムー
リューゴトタイプのオープンワールドゲームの開祖にして、まだそれを超える作品が出ていない『シェンムー』。このゲームの凄いところは、没入感です。
これも先述しましたが、その空間に存在するキャラは全員ひとり残らずフルボイスによる会話が可能です。どうでもいいようにも思えますが、後続の同系統作品から比較すると、これがいかに大事な要素であるか分かります。
リューゴトにしろスパイダーマンにしろ、街にいる人間はそのほとんどが「動く背景」でしかありません。シェンムーでは登場人物全てから体温が伝わってきます。もっとも、今の基準から言えば、その会話の内容は実に淡白なものではあるんですけどね。
さらに特筆すべきはその音楽で、『デイトナUSA』『バーニングンレンジャー』の光吉猛修や『イース』『ソーサリアン』で知られる古代雄三率いるエインシャントのメンバーによって手掛けられたBGMは素晴らしいの一言。
鈴木裕は、おそらくバーチャル空間を作ることに血道を上げたのでしょう。だとしたら、この作品は大成功と言って良いかもしれません。シェンムーラバーはまさにその空間を楽しんだのです。
スパイダーマン
『スパイダーマン』はシェンムーとは別のアプローチで、バーチャル空間作りに成功した作品でしょう。ニューヨークの街を完全再現した上で、スパイダーマンのアクションまでも完全再現。摩天楼を飛び回る感覚を初めて味わった時は「何これスゲー!」でした。
また、キャラ作りも極めて秀逸で、ルックス、セリフ、声優、どれもがパックリはまっています。タレントは一切起用せず、どこにも嫌味なところや外連味がありません。
ジャッジアイズ
それに対して『ジャッジアイズ』は、どうも客観的に見てしまって没入感という点では他2作に劣ります。「お前、今からキムタクな」と言われても、キムタクですからね。
架空であるかどうかはどうでも良いんですが、舞台が繁華街って言うのもマイナスかもしれません。『龍が如く6』で尾道を走り回るのって面白かったですからね。
点数をつけるとすると、
シェンムー 10点
スパイダーマン 6点
ジャッジアイズ 3点
といったところでしょうか。
バトルシステムで比較
シェンムー
『シェンムー』のバトルは、バーチャファイター(VF)からの流用で、2次元の動きを3次元に変換したものです。主人公・巴月涼は父親から学んだ「芭月流柔術」の使い手ですが、これもやはりVFから、アキラ、影丸、ジャッキーの技をミックスさせたようなチャンポン格闘術で、ゲーマーにとっては馴染みの深いものです。
実際のバトルは他2作に比べてややゆったりしており、やはりVFに近い感じですね。物語の要所要所で登場人物から技を学ぶことができる上、空き地を見つけたらそこで修業し、レベルを上げることもできます。プレイヤーはいつの間にかバトルを意識することになります。
「ゲージを溜めて必殺技!」みたいな要素は一切なく、それが返って純粋なアクションゲームとして楽しめる要因になっています。
シェンムー1のクライマックス「70人バトル」は今遊んでも十分面白いデキです。
スパイダーマン
スパイダーマンは、その移動手段同様にバトルも割と衝撃的でした。物理法則無視の、どうやったって大味になるはずのバトルが、あたかも物理法則に則ったような、自分がスパイダーマンになったかのような操作感覚で楽しめるのです。強いて過去のゲームからこの感覚を探すとするなら、『ドラゴンボール』が最も近いでしょうか。私が言うドラゴンボールはスーファミの最初のやつですけどね…。あれよりもはるかに、自分の感覚がキャラに伝わる感じがします。
ガジェットというオプション要素や必殺技もありますが、決してジャマにはなっていません。
ジャッジアイズ
それに対してジャッジアイズ。
これは私がまだちゃんと会得していないせいなのか、ものすごく大味です。リューゴトの時からそうなのですが、回復アイテムを買い込んで、ガチャプレイ。体力減ったらアイテム使い、必殺技の“△”が出るのを待つ、というパターン。
ちょっと話が逸れますが、どうせキムタクというリアルなキャラを使うなら、バトルももうちょいシンプルかつリアルなものにしてほしかったんですよね。それってまさしく、シェンムーのようなバトルのことを言ってるんですが。
このゲームにおけるキムタクは、弁護士のくせにアベンジャーズみたいな動きで敵を蹴散らすわけですよ。それ、逆にキムタク感消してませんか?と。
ということで採点。
シェンムー 8点
スパイダーマン 8点
ジャッジアイズ 3点
QTEで比較
「QTE(QuickTimeEvent)」とは、シェンムーが開発した、画面に突然コマンドが表示されて、その通りに入力できるかどうかで展開が変わるイベントのことでして、「QTE」という名前こそ使っていませんが、他2作も同様の仕掛けが用意されています。
シェンムー
シェンムーはさすが元祖。取って付けたような感じがなく、実に自然にプレイヤーの緊張感を高めてくれます。特に追いかけっこや格闘時のQTEは成功した後の展開が非常にかっこよく、胸アツです。
スパイダーマン
スパイダーマンのQTEは、発生ポイントが割とワンパターンで、特に驚きはありません。頻度もかなり少なめ。
ジャッジアイズ
ジャッジアイズは直系子孫だけあって、シェンムーと似たようなQTEとなっていますが、なんでしょうかね……この取って付けた感。
まあ、特に採点する意味もなさそうなのでしません。
まとめ
返す返すもジャッジアイズには、ゲームとしての新しい要素というのが何ひとつありません。でもそれはゲームとしての評価とは直結するものではありません。めっちゃ面白いというわけでもありません。
裏社会バイオレンス物が好きでキムタクが好きでゲームっぽいものをやりたいという人には強くお勧めします。
しかし、私が言いたいことはそんなことではなく、『シェンムー』も『スパイダーマン』も神ゲーの名に相応しいから、まずはそっちをやれってことですよ!
コメント
なんだこの偏見と懐古丸出しのク、ソレビューは?
呆れるわ
こんな偏った頭でゲームに点数つけるとか笑わせないでください
シェンムーは0点レベルのク、ソにもなれないゲーム
今のゲームに喧嘩売れるレベルにすらない