当ブログ本館の方でいろいろ難しい話、退屈な話、負の感情を伴う面倒くさい話をしているうちに投稿意欲が失せてしまったので、たまには思いっきり読者を無視した、需要の全くない趣味の話を。
と言っても、以前運営していたブログからちょっとだけリライトしてのコピーです。
『ファミ通』の別冊付録クロスレビュー総集編を眺めていて驚いた事を書いています。
保存版クロスレビューを読んで行くとあるページで目が止まった。
コナミ『サイレントヒル』のクロレビにおいて、「バイオハザードが開拓した分野に飛び込んだ2匹目」と書かれていたのだ。
さらに驚いたことに『メタルギアソリッド』では「某3Dアドベンチャーを参考にして」と書かれていた。
なんだこれは!
ひょっとして、ファミ通はカプコンが好きでコナミが嫌いなのか……?
小生が『バイオハザード』に初めて触れたのは友人の家でだった。
「ねえねえ、小ライスくん、〝バイオ”買ったのよ、“バイオ”。これがめっちゃ面白くてさー!やりにおいでよ!!」
とテンション高く私を誘う谷口君。
バイオ?ああ、あの話題になってる怖いやつか。よし、やりに行こう。
「ビビるよ~」などとハードルを極限まで上げて電源を入れる谷口くん。もっとも、小生が怖がりだと知ってのことだが。
例の(今見ると実に安っぽい)実写ムービーオープニングが終わり、いざプレイ。
ふむ……
ふむふむ…………
ふむふむふむ……………
「えっと、ちょっと待って。マニュアル見せてくんない?……バイオハザード???」
怖さに驚く予定が、全く別の衝撃が走った。
「あのさ……これ、『アローン・イン・ザ・ダーク』やで?」
「え、なにそれ」
谷口くんは『アローン』を知らず、説明してもポカーンな感じだったが、このバイオナニガシが出るはるか前に、DOS/V機用フルポリゴンホラーアドベンチャーの傑作『アローン・イザ・ダ・ダーク』が発売されており、小生はそのゲームにハマった1人だったのだ。
そのソックリ具合は、参考とかのレベルではない。いや、パクリの範疇すら逸脱しているかもしれない。ドラクエの後に出た『桃太郎伝説』は当時さんざん「パクリ」呼ばわりされたが、それ以上なのだ。
具体的に言うと、
男女2人から主人公を選択
静止画の3Dマップ
フォント
ステータス画面の構成(アイテムが回転しながら近づくとこまで!)
ラジコン式操作方法
フラフラ歩いてくるゾンビ
窓を割って襲ってくる犬
刃物や銃で戦う戦闘システム
ゲームの目的は謎解きをしながら洋館から脱出
……もう何から何まで同じだったのだ。
ただ、テーマをクトゥルー神話から(一般名詞としての)バイオハザードにすり替えただけの極めて悪質なパクリ。
「ストII、内容ほとんど同じなのにダッシュだのターボだの、出せば出しただけ売れましたねーwwwwwwwww」
「あの手のゲーマーなんぞ頭弱いヤツばっかりやよってなwwwwwwwww」
「うはwwwwwwwwwwwアローンインザダークおもろすぎwwwwwwねえねえ、うちもこういうの出しちゃいましょうよwwww『魔界村の続編です』ってwwwwwwwwwうへwwww」
「お前悪いやっちゃなーーーーでもそれもアリかもしれんなwwwwwwなんせストIIで設けた金はあるから、ナンボでも豪華にはできるでえwwwwwwwwww」
という会話がなされたかどうかは知らないが、カプコンサイドとしては、バイオの土台はなんと『スウィートホーム』だというのだからビックリ仰天である。
そしてファミ通は、『サイレントヒル』を2匹目のドジョウ扱い、さらにあの世紀の大傑作『メタルギアソリッド』が「バイオを参考にしている」と言うのだ!!!!!
ゲームを仕事にしてるくせに、MSX版メタルギアを知らないのか!?
メタルギアの凄さというのは、基本システムが2D時代にほぼ完成されていたという点にあるのだ。
見下ろし型2Dアクションなのに、「双眼鏡で遠くを覗く」というようなことをやっていたのだ。
ポリゴンになったところで、操作がラジコン方式になったわけでもなければ、アローン式のもっちゃりアクションになったわけでもない。
2D時代からプレイ感覚が変わってないところにメタルギアの凄さがあるのだ。
具体的にどこをどう参考にしたというのか是非とも聞いてみたいものだ。
ただ金をかけて豪華に仕上がったゲームや売れそうなゲームは称賛し、パクリであってもそういう事実は無視、前衛的・挑戦的・独創的なものを過小評価する。
つまりはシロートなのだ。
結局は強者と消費者への迎合。
それがファミ通なのである。
ゲームに限ったことではなく、人間にしろ創作物にしろ、私はオリジナリティーに重点を置いて評価する傾向があります。
本文中に出てきた『メタルギア』シリーズはオリジナリティーの塊でした。本文で紹介していないものでは、例えばセガで言えば、マリオの亜種ばかりだったアクションゲームカテゴリにおける『ソニック』シリーズ、初のフルポリゴンかつ全く新しい操作体系で創られた格闘ゲームである『バーチャファイターシリーズ』、オープンワールドの祖とされる『シェンムー』シリーズ等を高く評価しています。他には、今は亡き飯野賢治の作品群もとことんオリジナリティーに拘ったもので、もっと評価されて良いのではないかと思います。任天堂の作品群については言うまでもありませんが、どれもこれもがオリジナリティーに溢れており、任天堂は40年近く、それこそ「開拓者」であり続けています。
そういう、オリジナリティーに拘る私にとって、思いっきりパクリゲームである『バイオハザード』にオリジナリティーがあり、あたかも「開拓者」であるかのような評価をするファミ通には、激しい怒りを覚えてしまうのですよ。
そういえばカプコンは『戦国BASARA』も「『戦国無双』から着想を得て」作ったなどとのたまってましたね。物は言いようです。
ウィキペディアによると、
本作は1992年に発売されたPC用の作品である。3Dソリッドモデルでオブジェクトを制作しており、アドベンチャーゲームでは初の3D作品とも言われている。バイオハザードシリーズの原点とも言われる作品であり、謎解き要素やカメラの配置などあらゆる所で参考にしている部分が見られる。
とあり、特に権利契約については書かれておらず、私も聞いたことがありません。多分そんなものはなかったと思われます。
私がプレイした「DOS/V日本語版」と完全に合致するものはありませんでしたが、興味のある方はYouTubeのプレイ動画をお楽しみください。
次は『バーチャファイター』について書くよ。
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