声優にタレント使わないと死ぬんですか?~『未来のミライ』を観て~

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知の小人エンタメ館タイトル 映画
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声優の酷さではワースト3に入る『未来のミライ』

映画やドラマでいろいろ書きたいことがあって、かれこれ1年分くらい溜まってるんですが、当ブログの本館や犬館で書いてたらこっちは後回し。『未来のミライ』が地上波で放送されたのも結構前ですね。

で、テレビのHDDに入れてあった『未来のミライ』を再生してみてビックリ。主役のくんちゃんの口から発せられる声が普通の成人女性!!何か特殊な事情のあるシーンなのかと思って、早送りしてみてもずっと同じ。声を当てているのは上白石萌歌とか言う若手女優さんで、ああ…『いだてん』の前畑役の子ね。

しかしまあ、この声優の酷さは私が今まで観た作品の中でもワースト3に入るかというレベルですね。

念のため私が酷かったと思う声優(アニメ限定)ワーストを確認してみると…

1.『ファインディングニモ』 木梨憲武
2.『風立ちぬ』 庵野秀明
3.『未来のミライ』 上白石萌歌
4.『シュレック』 浜田雅功
5.『ハウルの動く城』木村拓哉 & 倍賞千恵子

やはり見事3位に入りました。

悪しき文化を作ったのはジブリ?

私はネット番組『岡田斗司夫ゼミ』の視聴者でして、この番組ではやたらと宮崎駿及び高畑勲の作品を取り上げるんですよ。で、そのたびに「やっぱりこの2人すげーなー」と感心するわけです。

ところがですね、宮崎作品は素人声優を起用するようになってからは、まともに私の頭に入らなくなってるんですよ。まずは『となりのトトロ』の糸井重里ですね。せっかく面白い作品なのに玉に瑕というかなんというか。別に粗を探してやろうなんて気持ちではなく、あのパパが出てきた途端、糸井重里の顔が浮かんできて現実世界に引き戻されてしまうのです。

その後の宮崎作品は、『もののけ姫』以降、主役でも素人を起用。もののけ姫はそれなりにハマってたからよかったものの、『ハウル』は酷かったですね。木村拓哉の気の抜けた声もアレだったけど、輪をかけて酷かったのが倍賞千恵子。あれは少女とババアのメリハリこそが命であるはずなのに、少女としては老けすぎて、ババアとしては若すぎる倍賞千恵子1人にやらせたおかげで台無しです。

顔が見えてしまったら声優としてダメでしょ

本当私、ちょっとでも「裏」が見えちゃうとダメなんですよ。ハウルの映像観てても、木村拓哉と倍賞千恵子のレコーディング風景が脳内でオーバーラップされてダメなんです。

プロの声優ってどういうものかというと、例えば戸田恵子だったり、例えば山寺宏一であったり、例えば栗田貫一であったり、顔をよく知っていてもその顔が浮かんでこない声を出せる人でしょう。

この悪しき文化の起源と言えばやはり宮崎駿作品となるでしょうね。「プロの女性声優は処女膜から声を出していない」と言ったとか言わなかったとか言われてますが(多分本当に言ったと思います)、『もののけ姫』では石田ゆり子、『千と千尋の神隠し』ではわざわざオーディションで素人の少女を起用しています。この2作は別段悪いものではないと思いますが、その後、日本では、アニメでも実写でも非プロを起用するのが当たり前になってしまいました。

プロの声優は端に追いやられる不思議

不思議と声優という職業は近年物凄い人気で、声優になりたいという人も、実際に声優を生業とする人も、掃いて捨てるほどいるのですが、その一方で主要な役はクソみたいなタレントが「挑戦しましたぁ~」とかっさらっていくのですから、何とも皮肉な、何ともバカバカしいことになってるわけですよ。

そして専業声優という職業に就いた人は、これまた不思議なことに積極的に顔を出してアイドルになろうとする。むむむ……。

素人が声優をやる理由

では、なぜプロではないタレントが声優をやるのでしょうか?

話題性

ひとつには話題性があります。当たり前ではないキャスティングをすることによって目立たせるわけですね。声優をやるべきでないような声の持ち主のタレントでも、商業的にさえ成功すればOK。作品の価値など二の次という考え方です。

もうね、これに関してはしょうがないんでしょうね。作り手側もプライドなんてないでしょうし。開き直られたらこちらも何もできません。諦めるしかないのです。

作品性

タチが悪いのは作品性です。冒頭に挙げた細田守作品ってそんな感じですよね?知らんけど。私が初めて観た細田守作品は『サマーウォーズ』でした。声優を除いても十分駄作だと思いますが、声優も酷いものでした。『未来のミライ』では一体何考えてんだ?レベル。でも細田守作品って、一般には作品性が高いとされてるんですよね?そしてきっと声優の起用も「こだわりがある」わけですよね?でも私にはそんなこだわりがあるようには全く思えないのですよ。

俳優が声優をやるアメリカってかっこいい?

アメリカなんかだとアニメ作品に俳優が声を担当するのは当たり前です。が、それはアニメ先進国である日本のような声優文化が育たなかったからで、「演じるのだからプロの俳優がやるのが良いに決まってるだろ」という短絡的な考え方なのですよ。それをカッコイイと思ったのかどうか知りませんが、スタジオジブリが先鞭を切ったこともあって、日本もマネし始めたってところでしょうか。私の知る限りでは、少女の役は少女がやり、おっさんの役はおっさんがやるというのがアメリカ式(あるいは世界標準?)。青年の悟空を女性の野沢雅子が演じるなんて、日本以外では考えられないことなのかもしれません。

確認してみたらやっぱりそうでした。

わし、聴覚過敏なのか?

どうも私は音に対して敏感すぎるところもあるんだと思いますが、例えば『風立ちぬ』なんて結構期待してたんですよ。ま、その割には地上波放送まで映画館に行くわけでもなく、ビデオを借りるわけでもなかったんですが、それでもきっと面白いだろうと、ワクワクしてたんですよ。

で、HDDに録画してたやつを再生してみると……あー、そういやこれ庵野秀明だった!そして、庵野の声優仕事ってこんなんなのか、と。皆さんよくご存じの通りで説明は要らないでしょうが、私はもうあれがダメなんです。話が入ってこない。一旦観るのをやめて、しばらく間を置いてから観ようと思ってたら家族に消去されてしまって結局観てないんですけどね。ま、いいかってなりました。

『ポニョ』に至っては主役でもないのに、所ジョージのあまりの酷い仕事ぶりが作品全体に響いてしまいました。あれは、他の誰でもなく所ジョージなんです。

長くなったので一旦ここで中断。次回は実写の声優さんなんぞを。

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