「eスポーツ」はスポーツなのか?

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「eスポーツ」の違和感の正体

昨今話題に挙がるようになった「eスポーツ」に対して、尾木ママが「これのどこがスポーツなの!?」と疑問を呈したという話題。

尾木ママこと尾木直樹さん、eスポーツについて「本当にスポーツなの!?」と疑問を呈する→スポーツの定義などさまざまな声集まりました – Togetter

このまとめのコメント群は議論が発散していて、かつ問題の核心を突いていません。そもそも尾木ママの問題提起がおかしいんです。

言葉の定義としての「eスポーツ」問題

「スポーツ」=“sport”の語源は、「遊び」「気晴らし」と相当幅広い意味を持ちます。その遊びや気晴らしは当時、運動競技が主だったわけで、今ではスポーツ=フィジカル競技となっているわけですね。ま、正確に言えば「競技」じゃないこともあるでしょうが。

スポーツという言葉の要件に「体を動かすこと」に入れるとするなら、テレビゲームをそこに入れるべきではないでしょう。そうじゃないのなら、OKとなります。言葉の定義の問題を整理するとこうなるわけですね。

個人的にはテレビゲームを「eスポーツ」なんてあまり呼びたくないのですが、考えてみれば他に相応しい単語もないんですよね。「e-game」って言うと単にテレビゲームのことになってしまうし、「e-Compe」なんてのもダサい。だから、ゲーム競技の呼称としては「eスポーツ」で良いんじゃないでしょうか。

オリンピック競技としての「eスポーツ」問題

オリンピック競技のひとつにeスポーツを!なんてことが真剣に検討されているらしいですが、とんでもない話でしょう。

そもそもオリンピックは、「人が死なない戦争」という意義があり、その競技は総じて肉体を使うものです。トランプや将棋がオリンピックにないのと同様、テレビゲームなんぞがオリンピックで行われるべきではありません

オリンピックとしてのeスポーツにはさらに大きな問題があります。それは「ルールや条件が定まらないこと」です。eスポーツと言ってもプレイされるゲームは様々で、『ぷよぷよ』『テトリス』といったパズル、『ストリートファイター』『バーチャファイター』といった格闘、『ウィニングイレブン』『パワプロ』といったそれこそスポーツ、私がよく知らないストラテジーもの。

さて、格闘ゲームだとするなら、スト2?バーチャ?ガロデン?誰がいつどうやって決めるのでしょうか?『ぷよぷよ』だとしたら、バージョンは?機種はスーファミ?MSX?レギュレーションなんてその都度大きく変わっちゃいますよね。

つまりですね、テレビゲームって普遍性がないのですよ。オリンピックになるような競技って、「誰が見てもとりあえず何やってるか分かる」「ある程度ルールは知ってる」という一般性が肝要で、eスポーツはその条件を全く満たしません。見るたびにゲームが変わり、それを見て楽しめるのは基本的にゲーマーかゲーム事情に精通した人だけなのですよ。

健康に悪いという「eスポーツ」問題

ん~、半分賛成。やっぱりテレビゲームってほどほどに子供を規制してやらんと体に悪いのは間違いないと思うんですよ。私自身ゲームが好きだしその良さもよく知ってるから子供にもやらせますが、やっぱり姿勢が悪くなります。電気の光線を浴び続けることのテクノストレスも心配です。「本物のスポーツだってやり過ぎはダメ」って理屈はかなり無理があります。テレビゲームとスポーツでは、その悪影響もかなり質の違うものになるはずです。

eスポーツを特集した番組では、eスポーツのためにプレイヤーが体を鍛えるなんてシーンも紹介されてましたが、じゃあ子供がそこまで含めてマネするかって言うと、まずしませんよ。その代わりに親が「外で遊んで来い」と言ってやるべきでしょう。

尾木ママの問題提起に問題あり

尾木ママが教育をネタにご飯を食べる人であっても、学者ではないなと思うのが、この3つ、すなわち「言葉の定義」「オリンピックとして」「健康への影響」を切り分けずにごっちゃに語ってしまっているところです。
言葉としておかしいのか、そういう呼称があってもいいけどオリンピックに入れるのはおかしいのか、そもそもテレビゲームなんてやるべきではないってことなのか。あまり頭がよろしくないから、論点が定まらないのです。

ゲームはサブカルでいいじゃん

おじさんゲーマーである私はゲーム文化に寛容だと自負しておりますが、「eスポーツ」という呼称は良いとしても、それをオリンピック競技に!という動きは気持ち悪くって仕方ありません。どう考えても相応しくない。それはそれで、価値あるものなんだから勝手にやりゃいいだけの話なんです。にも拘らずなぜオリンピックに入れたくなるのでしょうか。

その理由の一つには、eスポーツの規模が大きくなり、それに連れて世界で開催される大会の数が増えたり賞金が高額になったりするということが考えられます。しかし、何かの間違いでオリンピックに採用されたとしても、反発の方が大きくなり、逆効果になることも考えられます。

今一つの理由は、ゲームをサブカルチャーからメインカルチャーに昇進させたいという願望があるのでしょう。これは、定期的にバズる萌え汚染の問題と同様です。「駅乃みちか」「碧志摩メグ」「キズナアイ」といった所謂萌えキャラを、陽の当たるメインカルチャーに駆り出しては「なんだこのエロいキャラは!」「どこがエロいんだ!」「いや、エロくて何が悪いんだ!」という不毛な議論が発生します。

このことは散々書いていますが、こういったキャラのエロさを含む良さは、何よりそのファンたちが理解しているところで、「エロくない!」なんて屁理屈をこねて無理やり地上に上げてきたって良いことは何もないのです。「サブ」でいるからこそ良いのです。それでも何とか地上に押し上げたいのは、そうすることによって、それを追っかけている自分も一緒に「サブカルのおたく」からちょっとでも「一般的な趣味を持つ男」になりたいからではないかと推測します。

まとめ:eスポーツがオリンピックに採用されたとて

野球と言う、サッカーにはかなり劣りはするものの世界的にメジャーなスポーツですら採用されたり落とされたりするオリンピックに、万が一にでもeスポーツが採用されたとてその運命に明るいものは見えません。オリンピックの中でも注目されるのは、100m走を頂点として水泳や格闘技など直接肉体を使う競技であり、射撃や馬術など、肉体的条件が薄いもの、ルールが曖昧だったり複雑になるものは端っこに追いやられていきます。テレビゲームなど何をか言わんや、でしょう。

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