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コオロギ食と牛乳。

文化

私は虫嫌いなんですが、家でヤモリやカナヘビを飼ってた時は餌として生きたコオロギを与える訳ですよ。ま、世話はワイフがやってたんで私はノータッチでしたが。

そのお食事の光景を見ていると、雷電のごとき速さでパクッ!と行く鮮やかさも見事ながら、非常に美味そうに食うもんですから、どれどれ小生もご相伴に……とまでは思わなくとも、多少の興味は沸いてきます。

あ、もう一度言いますが、私はカナブンにも触れないほどの虫嫌いです。ゴキ〇リが出現すれば「キャーッ!」とワイフを呼びに行く、そんな男です。

ただ、子供の頃から食べ物に関しては一切の好き嫌いがないんですよ。それは、大人が苦い物とか辛い物とかを美味そうに食べてるのを見て真似してたら、いつの間にか嫌いな食べ物がなくなってたんです。

 

さて、本題。

市中にコオロギ食が流通するようになってもう数年経ちますかね。私が最初に見たのは無印かドラッグストアのコオロギビスケットだったと思います。ま、わざわざ食べようとは思わないものの、粉砕されて元の面影がないものであれば食えないことはないでしょうね。

で、このコオロギ食には一部にどえらい反発があるわけです。「気持ち悪い」だの「利権」だの「給食で子供に無理やり食わせるな」だのといった感じです。

ここで断っておきますが、私はコオロギ食を推進する立場でもなければ反発する立場でもありません。ただ、コオロギ食への反発がやや乱暴に思えるので、いったん落ち着いて考察してみようということです。

その考察を分かりやすくするために、「牛乳」を比較対象として取り上げます。

 

 

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「コオロギのキチン質は人間に消化できない!」

よく聞かれるのが、コオロギに多く含まれるキチン質はヒトの消化器官ではなかなか消化されないので体に悪いという根拠。しかしこれは結構眉唾で、我々は小さなエビなら乾燥させてそのまま食べたりしてますよね。そこそこの大きさのエビを殻ごとから揚げにして食べたりもしています。私はエビ天の尻尾を食べる派です。が、エビを殻ごと食ってお腹を壊したという話はなかなか聞かないのですよ。甲殻類アレルギーというのはよく聞きますが。

何より、キチン質というのは甲殻類や昆虫だけではなく、キノコ類にもたくさん含まれています。古来より日本人の胃腸に馴染んだこの食材が「体に悪い」とは思えないのですよ。

一方の牛乳は、乳糖不耐によって一定割合でお腹が緩くなる人がいます。この「一定割合」というのも相当なもので、

このwebサイトによると、15歳以上であれば「たまになる」まで含めるとほぼ2人に1人という割合になります。牛乳を消化するための酵素ラクターゼは加齢によって減っていくため、小学生だとその割合は小さくなりますが、それでも無視できない割合でお腹に悪影響を及ぼす原因となるのは間違いないでしょう。

コオロギの前に牛乳を排除すべきではないでしょうか。

 

「コオロギ食は利権だ!」

そりゃ利権ですよ。正確に言うと、あらゆる産業に利権は伴います。ただ新規産業となると利権の部分を指摘しやすいというだけですね。給食の牛乳だって強力な酪農家利権でしょ。

問題は、「何かしらの事業に自然に付随発生する利権」と「利権のために何かしらの事業をやる」という因果の逆転のはずで、今のところどっちとも言えないはずです。

 

「子供に無理やりコオロギを食べさせるな」

今の給食は知りませんが、少なくとも私が小学生だった頃は、米飯食であっても牛乳だけは必ず飲まされました。ま、個人的には牛乳が嫌いなわけでもないし、組み合わせにどうこう言うほど神経質でもなかったのでどうでもよかったのですが、冷静に考えたらこれってどうなんでしょうか。

少なくとも私が子供の頃の小学校では相当無理やり牛乳を飲まされてましたよ。お昼休みになってもずっと一人きりにされて、とか。今では虐待になるからと、こういうやり方はしていないらしいですが。

 

「コオロギ養殖だってコストがかかる」

そんなの当たり前でしょう。問題は「どのくらいのコストがかかるか」です。というわけで数字を見てみましょう。

現在のところ、コオロギ食は生産の絶対量が少なすぎるためかなりコストがかかっているようですが、もし量産するとしたら生産量に対する餌代の割合は、肉類の中で最も安い鶏肉よりさらに30%以上安くつくことになります。

ただし、栄養コスパに限って言えば牛乳も相当優秀です。先述の負の要素を除けば、ですが。

んでですね、貴方がコオロギを食べるか否かは貴方が決めれば良い話で、食料品のバリエーションが増えることと、コスパの良い食材が出回ること自体は素直に歓迎すべきことではないの?と思うわけです。

 

牛乳だって最初は相当な抵抗感があったのでは?

当時の資料とかを知らないので断定的なことは言えませんが、明治時代に牛乳が普及し始める局面においては、相当な人達が抵抗感を抱いてたんではないかと想像します。だってケモノの母乳ですからね。でも我々のうちほとんどは、物心つく前から牛乳を飲まされ、しかもそれが超優良食品だと刷り込まれているからもはや疑うことがないのです。

エビ・カニだって同様。私は大好物ですが、それは子供の頃から食べさせられていたから当たり前だと思っているだけで、こんなの虫ですよ。冷静に見たら気持ち悪いですもん。「エビ・カニは好きだけど、シャコは虫!」と言ってシャコだけは食べないという知人がいましたが、いや、その境目ってどこやねん!と言いたくなるものの、私だってエビ・カニとコオロギの境目はよく分かっていません。ただ、「コオロギは動物であって食べ物ではない」という価値観の中で育ったというだけです。

 

食糧自給率を上げるためにコオロギ食?

食料自給率の観点からコオロギのような昆虫食を推進するという考え方があります。分かりますよ。分かるけど、順序としては食料廃棄問題とか、農業の企業参入規制を緩和して大規模化・高効率化を進める方が先ではないの?とも思います。

この優先順位の付け方を間違えると、そりゃ利権を指摘されてもしょうがないよな、と。

ついでに食料自給率の話をしておくと、どのみち今の日本に「自分たちが食べる分の食糧を自分たちの力だけで生産する」ことは逆立ちしてもできません。コメだって一見ほぼ100%自国生産しているように見えますが、コメを作る際の燃料はほとんど海外からの輸入に頼っている状態です。

ま、これはまた別の投稿で。

 

まとめ

私はコオロギを食べませんが、批判するならするで客観的・論理的にやりましょうよ、というのがこの投稿の趣旨でした。

例えば、コロナについてのツイートで私が信頼を置いているお医者さんが、このコオロギの話になると途端に「キチン質ガー!」とか言い出すという光景は好ましくありませんでした。コロナについてのアプローチをそのまま転用するなら、この投稿で書いたように、「他にキチン質を含む食材との比較」をするはずです。言及対象が変わると論理性まで変わるというのは良くありませんね。

ということで、皆さん冷静に。

何度も言いますが、私はコオロギを食べません。

 

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