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大阪の教育現場、橋下以前と橋下以後。

政治・経済

ツイッターの相互フォロワーさんで、チルドレンズオーサカさんという方がいらっしゃいます。維新支持者なんですが、行政に関する知識はそこらへんのプロを凌駕します。この方が、教育に絡む利権の闇について2900字を超える連ツイをされていたので、ご紹介します。

ご本人には「noteにまとめてくれ」とお願いしたのですが、「noteやったことない。著作権あげるからまとめて」と返されたので、ここで転載させて頂くことになりました。ツイートでは「引用させて頂きます」と書きましたが、法的には分量比率上引用権の範疇ではないので「許可を頂いた上での転載」になります。※もちろん著作権は頂きません。

以下がご本人の書いた本編になりますが、オリジナルツイートに振ってあった通し番号と「続く記号」(→)を削除した上、改行と発見できた誤字・脱字の修正については私が施してあります。ご了承ください。

 


橋下さんが大阪府知事になる前、大阪の公立中学校の高校受験指導は、本当に酷かったです。

大阪でしかやってない時代遅れの相対評価の成績、公立高校受験における内申比率の高さ、受験できる公立高校を学区制で制限、教育委員会が公立私立の募集枠を7:3と決めていた事、等々問題は山積でした。

先生は気に入らない生徒の成績を自分の匙加減で低くつけることもできたので、子どもに絶対的な権力を持ってました。 先生に逆らったら内申が悪くなる、これが当たり前に生徒や親の間での認識でした。 先生の授業が下手で、学校全体の成績が悪くても、学校ごとの内申点で進路指導が行われていたので学校によっては、授業などそっちのけで生活指導ばかり重視する学校もありました。

そんな学校で成績上位の子も、内申点の割合が高いので学区内トップ校に入ることができました。 しかし、入学後に周りの生徒たちに圧倒されて、学校になじめずに不登校や退学する子もいました。 逆に逆に成績の良い子が多い学校になると、相対評価の内申点のせいで、本来ならもっと上位校を狙えるはずが受験させてもらえない生徒も多かったです。

希望する学校に行けなかった子が多かったせいで、大阪の中退率は全国でも高かったです。 また金銭面で滑り止めとして私立の受験ができない家庭は公立の受験校のランクを落とさなけばいけませんでした。 本当はもっと上の学校を受験したくても、大阪の公立は基本一校しか受験できないので、チャレンジはできません。 (他県では複数志願制もあるようです)

私立は進路指導で必ず3割が入学するので、生徒集めの努力をしてませんでした。私学はもし定員割れしても、学校運営に必要なものは国や府から補助金として入ってくるので、つぶれる心配もありませんでした。

問題だらけでしょ? そんな時に、橋下知事が誕生し、真っ先にこの教育問題に着目してくれました。 そしてどんどん改善していってくれたんです。

最初、とにかく大阪の財政が悪かったので、全ての補助金をゼロベースで見直し、私立高校の運営補助金も減額されました。その影響で、私立高校の授業料が少し値上がりしたんです。

その件で当事者の高校生が橋下さんに訴える場が設けられ、橋下さんに泣かされる女子高生のニュースが流れました。当時の橋下さんは、お金ないなら努力して公立に行けばいいと言いました。 でも教育委員会が生徒数の3割を私学に振り分けていたのは、そもそも公立校数が進学希望数に足りないからです。

これは実は理由があります。 ベビーブーム時代に公立高校新設が追い付かず、当時の国と府が私立にお金を出して私学に学校増やしてもらいました。 地方によっては、私学に行くのはお金持ちで成績の良い子か、成績が悪くて公立に行けない子、というイメージですよね? でも大阪の私学は違います。

偏差値ごとに振り分けられる学校が作られました。 つまり公立のトップ校受験者が落ちたときに行く私学、公立二番手に落ちた子が行く私学…みたいに。 なので最初橋下さんは公立高校を増やそうと考えたんですが、それは莫大な税金がかかり、私学連盟からすごい反対されたので断念しました。 まあこの経緯を知れば当たり前ですけど。

それで今のように私学の授業料をバウチャー方式で無償化する方法を考え出したんです。 そうすれば子どもたちはお金の心配をせず、希望する学校を受験できるようになります。 さらに、自由に学校選びができるように、公私比率7:3規制も撤廃しました。

公立の学区制も徐々に廃止していきました。 受験指導に正当な成績評価が反映されるように、成績評価基準を相対評価から絶対評価に変更しました。 そうなると府内全域でどの学校も受験できる機会は平等ですが、府内全域の生徒との競争になります。 地域的に中学校レベルが低い子は不利になります。 おのずと家計に余裕がある子は塾に行くようになります。 なので橋下さんは塾代バウチャーを始めたんです。

また部活などで塾に通えない子や、模試が受けられない子が、自分の成績を客観的に測れるものがないため、受験校選びが難しくなる問題もありました。 それで橋下さんは府内一斉チャレンジテストをスタートしました。

このテストは、絶対評価の成績が実際の実力と乖離がないかをチェックし是正する事が出来ました。 たとえば、欠席が多いとか態度が悪いなどが理由で成績が悪かった子が、チャレンジテストを受ければ成績が是正されたりします。 こういうことをすると、現場の先生によっては生徒をコントロールができなくなったり教師の教える力が表面化したりするので、嫌がる傾向が強いです。

でも反対理由を正直に言うことはできないので、子どもを理由にするんですよ。 「テストが多すぎで、子どもたちの生活に余裕がない」 とか 「成績だけで人間を評価をするのはおかしい」 とかね。 まあやり方がせこいです。

今の大阪府の高校受験は、行きたい学校に行ける体制になりました。 だから志望者が減って定員割れする学校は、私立も公立も淘汰されていくようにしたんです。 私立運営補助金の一部を生徒の授業料バウチャーに振り替え、生徒数で運営費を算出して足りない分を補助金として渡すスキームになりました。 つまり定員割れでは学校運営が成り立たなくなります。

昔のように私立3割の規制もなくなったので、今はどの私学も生徒を集めるために必死で、魅力ある学校づくりに励んでいます。 この傾向は、生徒にとって有益なものです。 また公立も志望者が少なく定員割れが多い学校は、一定のルールに沿って(3年間定員割れ、学校の努力が見られないなど)で学校統廃合の対象となります。

そもそも少子化で生徒数が減っているのですから、学校を減らすのは当たり前ですが、これも先生方の反対が大きいです。 前のように必ず7割が公立に生かせるわけでもなく、より多くの生徒が私学を選べば、公立はますます定員割れになります。

実は税金の使い方でみると、私立の運営費や授業料バウチャーに税金をかけるより、公立高校を運営するほうが税金がかかるんです。 その理由は公務員の教職員にかかる人件費が大きいからだと言われてます。

また校舎の老朽化が進んだ学校は、改築費用も莫大となります。なので、校舎が古く、定員割れが続き、先生方の意識が変わらないところは、統廃合に至ったケースが多いです。 そういう学校はだいたい、改革に反対の組合系教員が多いです。

ここまでの長いスレッドを読んでくださった方は、だいたい分かったと思います。

北野妙子さんや谷口真由美さんのバックで支援をしている人たちは、こういう人たちなんです。 だから「チャレンジテスト反対」を二人共通の公約に掲げているのです。 彼らがいかに恐ろしく狡猾かお判りいただけたでしょうか。「チャレンジテスト廃止」は、これまでの様々な教育改革を潰しにかかる一穴になるのです。 絶対に昔のような大阪の教育環境に戻してはいけません。

ぜひご理解いただきたく、長々と書き連ねました。 読んでいただき、ありがとうございました。


 

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