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伊是名夏子氏JR乗車拒否問題(2)社会全体に目を向けよう

差別
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TPOを見誤った正論

彼女は駅員さんに法律の面から「正論」を披露しました。

あ、私ね、ワイフとケンカした時に「あんたはそうやって正論ばかり言う!」と責められて「?」になったことがあるんですが、これは女心の話。共感力の低い私みたいな唐変木は女性に嫌われるのです。

しかしここはそれとは違う話。

彼女の「正論」はちょっとズルいのですよ。障害者のサポートに関する法律は、数値設定できるところはしているわけです。「3000人規模の駅」と言うのがそれで、ある程度以上の規模の駅であれば、どんな事情であれ、障害者を運搬する明確な義務があるわけです。で、それに反論されて「駅側が代替手段を考えるのも法律で決まってる」と主張するわけですが、現実問題としてできなかったり、極めて困難だったりすることはあるわけです。

今回もし車椅子の運搬を拒否されていたとして、彼女が裁判を起こしたら、おそらく勝つことになるでしょう。すると、鉄道会社の方はどうするかというと、

「無人駅でも採算に関係なく障害者の対応のために突然人員を集める義務が生ずるなら、いっそ駅を閉鎖しよう」

という選択肢が生まれてしまうのです。無人駅でも「ある」と「ない」では、当然ながら「ない」よりは「ある」方がはるかに社会のためになるわけですが、「無くす」という結果になってしまうと、一体誰が得するのか?って話になります。もちろん、それは障害者にとっても、直接的に損することはないにしても得もしません。

であれば、障害者にとっての合理的な判断は「一定規模以下の小さな駅は、自分にとって駅ではない」と認識することなのです。

さて、彼女は「無人駅だけど駅員を動員してもらったのは障害者差別解消のために当然」と本当に思っているのでしょうか?

 

大きいことを考えよう

この伊是名夏子さんという方は、すでに動画で、今回のことは敢えてやったと告白もしていて、それらのことを加味すると、いろいろと思うこと書きたいこともありますが、ここで書くと話が発散しますので、書きたくなったらツイッターで書きます。それはこの記事の趣旨ではありませんので。彼女がどんな人であれ、社会にたくさんいる障害者の一人でしかなく、彼女は「一サンプル」であっても「代表」ではないのです。ここでは、もう一段上からなるべく一般論として語ります。

で、私は何が言いたいかっつーと、そりゃ障害者にだっていろんな人はいるだろうけど、障害者は弱者でありマイノリティーであることには違いないでしょ、と。伊是名さんが社民党のサヨク活動家であっても、ハッキリ言えば彼女個人のことなんてどーでも良いことであって、この話から何を還元するのかってのが知性であり社会人の責任ですよ。

まずは、我々が現代社会が名目としているような共有すべき価値観、つまりはマイノリティーでも弱者でも安心して暮らしていける社会を本気で作りたいかどうかを自分や近しい人に再確認することでしょう。

例えば、私は今健常者ですが、明日交通事故に遭って半身不随になるかもしれません。あるいは私の子供がトランスジェンダーであることが発覚するかもしれません。そうなった時でも「日本でよかった」と思えるような社会にしたいかどうか。

割とカッコいいことを言う人でも、本当に弱者の立場になって考えられているかって言うと、ほとんどの人はできない…というか無理な話です。

 

つづく。

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