【犬の熱中症】犬に扇風機は(あまり)効かない

散歩する犬 健康

近年の猛暑。犬の熱中症が気になる飼い主さんも多いでしょう。

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なぜ年寄りには扇風機が効かない?


人間の話ですが、テレビでは「エアコンをつけろ」とうるさいですね。でもなんで「扇風機をつけろ」とは言わないんでしょうか。扇風機って良いんですよ。電気代タダみたいなもんだし。

でも扇風機つけたままお年寄りが死んでるじゃん!

そうなんです。扇風機だとヤバい場合があるんですよね、お年寄りは

これはですね、多分ですけど、扇風機の冷却性能が足りなかったんじゃなくて、水分と発汗能力の不足だと思われます

そもそも扇風機は、人間の皮膚から汗が出ているという前提において、その汗の蒸発を促進することで体を冷やす(気化熱)という仕組みなんですね。だから気温が体温より高いような酷暑でも、汗をかいている限り扇風機は一応効くんです。不快かもしれませんが、とりあえず熱中症になることだけはほとんどの場合避けられるはずです。

ところが、お年寄りになると話は別で、汗を分泌する汗腺の機能、温度を感知する機能、のどの渇きを感知する機能このどれもが加齢によって低下してくるので、何重にも扇風機の効き目が弱くなるのです。暑くなっても分からないし、のどが渇いても分からないから水も飲まない。これじゃ扇風機も効きません。だからお年寄りにはエアコンなんです。

子供は扇風機でも大丈夫?


では子供は?

乳幼児でなければ、まず大丈夫でしょう。

もちろん、塩分と一緒に水分を摂取させる必要はあります。汗をしっかりかいていて、水分さえ摂っていれば、扇風機だけで熱中症なんてことにはまずならないはずです。むしろ、エアコンに慣れ過ぎて自律神経や発汗能力を低下させると、いざ外に出た時に熱中症になりやすい体になってしまう危険性もあります。

おっと、ブログは『犬小屋』。そろそろ犬の話に入りましょう。

 

犬にも扇風機は効かない


ご周知のように、犬は汗をかきません。滑り止めのために肉球がちょっとだけ湿る程度です。

ということは、「皮膚からの気化熱」による冷却ができないってことですから、扇風機が効かないのです。

正確に言うと、ある程度までの暑さなら、皮膚表面の温まった空気を吹き飛ばす効果はありますが、体温に近い酷暑の場合だと意味がなくなります。せいぜい口の中の唾液の蒸発を促すくらいですが、まあ焼け舌に水でしょう。

よって、犬にもやはりエアコンが必要なんですよね。

ただし、私の見る限り、小型犬であれば人間よりも暑さに強いようなので、人間基準の快適温度まで下げる必要はありません。28~29℃で十分でしょう。うちの犬なんて、エアコンの効いた27℃程度の部屋も嫌のようで、わざわざ35℃近くもある隣の部屋に移動して寝ています。

 

大型犬はなぜ暑がりなのか?


問題は大型犬。ゴールデンレトリーバーを飼っているある家では、4月にはもうクーラーをつけて家人は家の中で厚着をしてるんだとか。さすがにこれはちょっとやり過ぎかと思いますが、大型犬が暑さに弱いのは確かです。ではなぜ大型犬は熱さに弱いのでしょうか。

体がでかいからに決まってるじゃん

いえいえ、体が大きければその分放熱も大きいのですよ。「体がでかいから」では説明がつきません。これは物理というか算数の問題だと思いますが、体長50cmの犬がいるとします。この犬が、体の形はそのままに体長が1mになったとします。さて、この犬の暑さ耐性に変化はあるでしょうか?

正解は、「ある」なんです。

体長が2倍になると、体の体積=質量=体重は、2の3乗の8倍にもなります。その個体が持つ熱量は体積に比例するので、やはり8倍になります。一方で、体の表面積は2の2乗で4倍にしかなりません。皮膚表面からの放熱量は表面積に比例するので、8倍の熱量を持っているのに4倍しか放熱しない、つまり、体長が倍になると暑さ耐性は半分に低下してしまうということになるのです。これ、3kgの犬と30kgの犬で比較すると、3倍以上の差が出てしまうことになるわけですよ。

ま、結局は「体がでかいからじゃん」で正解ってことになるんですけどね。

 

犬が熱中症になったら?


とにもかくにも、大型犬には暑さ対策は必須で(ボルゾイなど元々細い犬は表面積が大きいので全く同じ扱いは必要ありませんが)、エアコンは忘れないように。

もし熱中症のような症状が現れたら?私なら濡れたバスタオルをかけるか、体に直接霧吹きなどで水をかけて、扇風機をぶん回します。これで汗をかいたのと同じになりますから。保冷剤などがある場合は、布1枚隔てて毛の薄い鼠径(そけい)部などに当ててやります。たいていの犬は毛で覆われているため、人間と同じように首や頭に当ててもさほどの効果は得られないはずです。

 

おまけ


夏になったら、真昼間に犬の散歩をする人を見ては切なくなるんです。

あれ、虐待ですからね。

ひょっとしたら「こんな暑い中でも犬の散歩に出るわたし、飼い主の鑑」とでも思ってるんでしょうかね。

でも、真夏の真昼間のアスファルトって60℃を軽く超えるんですよ。その熱々の鉄板の上を靴も履かずに歩かされるのです。早い話、ヤケドするために外に出すようなことをしているわけですよ。

もしあなたのお身内に犬を飼っている人がいたら、昼間の日射量の強烈な時間帯に犬の散歩なんぞしてないだろうな!と確認してくださいね。

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